■列車を松本駅で降りると、バスに乗って山をどんどん登っていった。停留所からは、ふつう、歩いて行く所だが、ジープに乗って山本小屋という旅館に着いた。旅館は美ヶ原高原でひとつしかないものだ。2034mの高さで、御来光が見えるのもここだけだ。こんな高い所で、風呂もある。食堂も立派で、満足だった。
■夕方4時ごろから、美ヶ原高原を散歩した。と中、写真をとったりして旅館にもどった。
■夜8時半、部屋でくつろいでいると放送があった。今からスライドがあるのだそうだ。みんなで大広間に行ってみた。内容は、「美ヶ原高原の1年」で、高山植物、日本アルプスの山々、御来光等が四季別に出てきた。ふだん見られない形の変わった植物、3000m級で万年雪の山々、美しい日の出は特に、心をひかれるものがあった。そして、よく日は実物を見られるのだ。
■1時間ほどで終わったので部屋にもどった。2部屋だ。
■しばらくねむれずに、姉やいとこ達とさわいでいたが、スライドで見た山の風景を頭に思いうかべているとねむくなってきた。
■よく日4時半ごろ、放送で起こされた。御来光が見られるそうだ。上着を着て、いそいで外に出てみた。
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山並み
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■「あっ。」思わず声を上げた。右下(南)の方に雲がかかっていたのだ。そう言えば、ここは2000mをこえていて別に不思議ではない。しかし、初めて下に見降ろす雲におどろき、また感激したのは自分だけではなかっただろう。
■こうして時間が過ぎ、御来光の事を忘れてきた。と、みんながさわぎだし、その方(左、東)の色が変わってきた。だんだん姿を現してきたが、全く光っていない。別の太陽みたいだ。紅一色だった。きのうのスライドとは、美しさが比べ物にならない。
■太陽が出てしばらくして、寒いことに気づいた。御来光が終わったので、部屋にもどった。
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■「すばらしかったねえ。」等と感想を話し合っていると、おばちゃん(注:叔祖母)が、となりの部屋からきて、外に散歩しに行こうと言った。それで、ふたりで外に出た。おばちゃんは、おじいちゃん(注:義伯祖父)とよく旅行に行っており、山の名前を教えてもらった。旅館の屋上から見ると一段と美しく見えた。富士山も山と山の間から見えた。見るのは初めてで、形が整っていてすばらしかった。
■それから放牧の牛を見に行った。起きてから時間はたっているが、まだ6時過ぎで空気がとてもおいしかった。部屋にもどってからはかたづけをした。
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