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東北地方

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回顧

概要

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旧大川小学校

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旧大川小学校

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旧大川小学校裏山

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新北上大橋から

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新北上大橋から

■宮城県では、石巻を訪ねることにしていた。石巻へは、2011年に東日本大震災が起こってから3回目の訪問となる。既に避難誘導の成功事例とされる門脇小学校を2回訪ねており、この旅では失敗事例とされる大川小学校を訪ねてみたいと考えていた。門脇小学校では、在校していた児童の全員が無事裏山に避難することができたのに対し、大川小学校では、近くに裏山があるにも関わらず、在校していた児童の大部分が死亡している。門脇小学校は海岸に近く、普段から津波に対して備えるという意識が高かった。一方、大川小学校は津波到達予想範囲に入っておらず、緊急時における居住者の避難場所と指定されていたという事情はあったらしい。

道路標識や地図が貧弱なため、現場に簡単に到着することはできなかった。そこには、十数台の自動車やバスが乗り付けていた。慰霊碑が建てられており、その先には旧校舎が残骸を晒していた。最も関心が高かったのは、裏山への避難は容易であったのかどうかということだ。想像していたよりも、勾配は急であった。ただ、児童がきのこ採りなどで裏山を登ることはあったというから、裏山に避難することはそれほど難しいことではなかったのかもしれない。立入禁止となっていたが、避難誘導の問題を検証し、将来のための反省材料とするためにも、一般に開放してもらいたいものだ。以下のような問題があったとの思いを強くしている。少数の誤った見解が全体主義的に集団の行動の足枷となった悪事例として脳裏に刻み付けておく必要があろう。特に、一旦裏山への避難を始めたものの教員に連れ戻されて強く叱られ、裏山への避難の必要性を泣いて訴えても応じてもらうことができず、津波に飲み込まれる結果となった児童に対して同情を禁じ得ない。
  • 津波到達予想範囲が絶対視されていたことは、不適当であった。巨大地震の場合には予想範囲を超えて津波が到達することもあり得るということを関係者に意識付けしておく必要があった。そのためには、事前に裏山を第2次避難場所と指定しておくべきであった。
  • 小学校の教職員は、避難場所を決めるために時間を費やしすぎるなど優柔不断であった。また、点呼や保護者への応対にかかずらっている時間はないということを理解しておくべきであった。門脇小学校で、点呼や保護者への応対よりも避難を優先したことと対照的であった。公平性を欠くという理由でスクール・バスを走らせなかったことも問題外だ。トリアージ(傷病者が複数存在することを前提として、治療の優先度を決定するための選別を行うこと)の理論と同じく、学年などによる児童の選別を忌避するべきではなかった。
  • 教頭が自治会長に対して裏山に避難することへの同意を求め、拒否されたと伝わっているが、教頭は、児童の生命を守る責任を負っているのは自治会ではなく小学校だという認識の下で、小学校の責任で行動を決めるべきであった。また、裏山への避難に反対する教員などが、避難中に児童が負傷した場合の責任論に言及したということに対しては、怒りすら覚える。

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概要

■山形県を訪ねる主な目的は、1983年に放送されたNHKの連続テレビ小説「おしん」のロケイション撮影地を巡ることであった。

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山形県境付近

最大の見所は、ドラマの序盤に登場する尾花沢の銀山温泉であった。旅館の数は限定されているため、宿泊することは諦めた。それでも、日が暮れてからの情景を含めて目に焼き付けておきたかったため、当日のうちに訪ねておきたいと考えた。そして、国道347号を通って山形県への県境越えを行うことにした。しかし、県境の少し手前で、大雨のため県境が閉鎖されているとの表示が目に留まった。迂回路も見当たらないため、とりあえず県境が閉鎖されている状況を確認しておくことにした。到着すると、門が閉鎖されていた。壮年のライダーが数人集まっており、同様に迂回路を探しているようであった。小雨が上がっておらず、通行が再開される見通しは低そうであった。そのうちに、北を走っている国道47号も閉鎖になっていることを知らされた。南を走っている山形自動車道まで迂回しなければならないとすると当日のうちに銀山温泉を訪ねることは諦めなければならないと考えていると、自動車が乗り付け、16時に通行を再開するという。河川国道事務所の職員のようだ。ありがたかったが、土砂崩れの心配がないと判断したのであれば、すぐに通行を再開すればよいのにと不満も残った。

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銀山温泉

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銀山温泉(宵)

銀山温泉では、銀山川を挟んで、大正時代以降に建てられた旅館などがノスタルジア(郷愁)を感じさせる風情を醸し出していた。多くの建物がドラマ撮影時のままに威風堂々と建っているほか、新たに建てられた旅館やレストランも温泉街の景観を維持するよう腐心しているようであった。宿泊客が浴衣を着て河岸に繰り出しており、当地に滞在することのできる人が羨ましかった。共同浴場は、17時から居住者専用になるとのことであり、利用することができなかった。その後、宵になって辺りが暗くなり始めるまで待ち、ガス灯に照らし出されて幻想性を高めた温泉街を目に焼き付けてから当地を後にした。

従来通り、Googleマップをカー・ナヴィゲイションとして利用していたが、ショートカットのために小道を走ることが多く、不案内な土地を暗くなってから走ることは辛かった。

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ペンション ぷうたろうから

山形にある蔵王温泉に近づくと霧がかかってきて、さらに運転を難しくさせた。暗い中でペンションを探すのは一苦労するところであったが、Googleマップが正確に目的地を教えてくれた。ペンションで地図を貰い、共同浴場を目指した。

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旧最上橋

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庄内オープンセット

翌日は、田倉しんの実家が撮影された中山を訪ねたいと考えていたが、既に鶴岡に移築されており、中山には何も残っていないという。行政は、貧乏のために苦しんだ地域という印象が固定化することを好んでいないのかもしれない。そこで、最初の奉公先である材木店関連で寒河江の旧最上橋と大江の楯山公園を、2回目の奉公先である米問屋関連で酒田の山居倉庫を訪ねた。途中、鶴岡の庄内オープンセットに立ち寄った。セットは、山間集落エリア、宿場町エリア、戦国大手門エリア、農村エリア、漁村エリアなどから成っていたが、敷地面積日本一とはいうものの、京都の東映映画太秦村と比べて十分に整っているという印象は受けなかった。また、田倉しんの実家のセットは豪華すぎるように感じた。ただ、建て付けの悪い建物を見事に再現している技術には感心した。

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ホテルアルファインから

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久保田城跡

■秋田県に入り、秋田のホテルにチェックインした時には暗くなり始めていた。秋田駅と秋田県庁、秋田市役所の間にあり、秋田竿燈祭りの主会場になる中心部のようだ。夕食を取るために、Googleマップを参照しながら駅に向かって歩いていったが、適当な飲食店はなかなか見つからず、結局、駅構内にあるチェイン店に入らざるを得なかった。閉店時刻が早いことも問題だ。

ホテルに戻るためには、バスを利用することにした。秋田駅西口停留所からGoogleマップが指し示す系統のバスに乗ろうとしたが、その系統のバスはいつまで経っても入線しなかった。ほかの系統のバスでもよさそうであったが、無秩序に付番されているように見受けられる3桁の系統番号から目的の系統のバスを探すことは難しかった。また、系統ごとに異なるバス乗場を確認することも容易ではかった。地理に不案内な人でも大まかな進行方向が分かるように付番するとともに、進行方向が同じ系統のバス乗場を近接させるなどの工夫が必要ではないだろうか。

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大潟富士付近

翌日は、青森県に向けて北上しながら、大潟の八郎潟干拓地や能代を訪ねた。せっかく食糧増産を目的として干拓したのに、その後、米の生産調整(減反政策)の時代を迎え、入植者が味わった苦難が忍ばれる。生産調整が終わった現在、大規模農法を展開することにより収益性が高まることを期待してもよいであろうか。

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白神山地世界遺産センターから

青森県との県境には、世界遺産となっている白神山地が聳えている。藤里にある白神山地世界遺産センターを訪ねてみたが、白神山地の方向すら分からなかった。白神山地に近づくためには、青森県側からアクセスした方がよかったかもしれない。

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弘前城

■青森県に入ると、まず弘前を目指した。弘前城を訪ねるため、弘前市役所で駐車し、三の丸追手門から弘前公園に入った。二の丸南内門から本丸方向へと進んだが、奥行きが感じられた。営業時間を過ぎていたため、残念ながら天守閣に登ることはできなかった。なお、駐車するために方向転換をした時、柱に衝突してしまったが、緩衝材が巻き付けられていたため、事なきを得た。

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しんまち

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青森駅東口

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青森港

暗くなり始めた頃、青森のホテルに到着した。しんまちが繁華街だと分かったが、やはり居酒屋などを除き閉店時刻が早いようであった。

翌朝、しんまち、青森駅、青森港などを散策した。港付近には、青森ねぶた祭りで使われた多くの山車が打ち捨てられていた。東北新幹線開通時の事情に疎く、盛岡以北の東北本線が第三セクター化していたことは知らなかった。青函トンネル開通に伴う青函連絡船廃止や東北新幹線開通は、地域の人や物の流れを大きく変えたことであろう。とは言え、青森駅は現在でも、福島から延びる奥羽本線、竜飛崎へと続く津軽線、盛岡と繋がる青い森鉄道線のターミナル駅であり、重要な役割を担っている。ただし、街の活性化のために3つの提案がある。
  • 第1は、青森駅を約1km南の国道7号沿線付近に移転することだ。現在は、青函連絡船運行時の乗り換えに対する便宜を図った港に向かって突き出した配置のままとなっているが、今後は新青森駅との乗り換えの便宜を図るべきだ。
  • 第2は、青森駅を頭端式(行き止まり式)にすることだ。それによって、駅内の乗り換えが便利になる。また、移転によって空く空間を駅前広場や商店街などとして活用することができる。しんまち方面に向けて、頭端式のターミナル駅に特徴的な壮麗な景観を呈す駅舎を建設することも可能だ。
  • 第3は、青森駅と新青森駅の連絡を密にすることだ。奥羽本線の増便は難しいであろうから、両駅を結ぶバス優先道路を建設するとよいのではないかと考えている。東北新幹線や北海道新幹線の開通は、両駅間の連絡が密であってこそ、地元の発展に効果を発揮するのではないだろうか。

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三内丸山遺跡

ホテルをチェックアウトすると、三内丸山古墳を目指した。就学期にはまだ明らかになっていなかったためよく理解していなかったが、縄文時代の集落跡だという。よく整備されていた。

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石ヶ戸

その後、八甲田山地域を経由して、十和田湖に向かった。八甲田山地域は、迫りつつあった日露戦争に備えた調査中に起こった雪中行軍中の遭難事件で悪名高い。情報不足、準備不足、危機管理能力の欠如が招いた悲劇であり、誤ったリーダーシップが悲惨な結果を招くという教訓にしなければならない。十和田湖地域では、奥入瀬渓流に沿って進み、石ヶ戸などを見物した。

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盛岡駅東口前

■岩手県では、盛岡駅西口前にあるホテルにチェックインし、駅前を散策した。駅西口は高架道路が張り巡らされ、効果的な土地利用が行われているように感じた。また、新幹線側である東口に繁華街があることは珍しいように思う。

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岩手銀行赤レンガ館

翌朝、石川啄木旧宅、岩手銀行赤レンガ館、盛岡城跡などを訪ねた。東京都文京区本郷の菊坂付近に居を構えた金田一京助、石川啄木、宮沢賢治が、盛岡に縁があるという共通点を持つことに初めて気付いた。

盛岡からは、一路仙台を目指した。

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■走行距離は、約1,300kmであった。また、1日平均の旅行費用は約21,000円であった。旅行費用のうち宿泊料金の最高は盛岡の約6,200円(6,240円)で、最低は山形の5,500円であった。

東北地方は訪ねる機会が少ないためか、いつ訪問しても有名な観光地巡りに終始しているように思う。そろそろ変化のある旅をしてみたいものだ。

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前訪問地発 当訪問地着 訪問地
出発 東京都 東京
6日09:25 鉄路 11:15 宮城県 仙台
11:50 道路 13:30 石巻
14:00 道路 16:30 山形県 尾花沢
19:10 道路 20:30 山形
7日08:45 道路 09:55 寒河江
10:00 道路 10:10 大江
10:40 道路 12:05 鶴岡
14:25 道路 15:10 酒田
15:40 道路 18:30 秋田県 秋田
8日09:00 道路 10:10 大潟
10:15 道路 11:40 能代
13:00 道路 13:55 藤里
14:00 道路 16:40 青森県 弘前
17:15 道路 18:40 青森
9日12:00 道路 13:30 十和田
14:05 道路 16:40 岩手県 盛岡
10日08:05 道路 10:50 宮城県 仙台
11:45 鉄路 13:45 東京都 東京
道路 :道路、 鉄路 :鉄路)

訪問地 宿泊先 単価
山形県 山形 ペンション ぷうたろう JP.\ 5,500 1
秋田県 秋田 ホテルアルファイン JP.\ 6,050 1
青森県 青森 ワシントンホテル JP.\ 6,200 1
岩手県 盛岡 ユニゾインエクスプレス JP.\ 6,240 1

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
日本 JP.\ 1.00円 800
内訳
12,197
内訳
65,957
内訳
0 1,800
内訳

国名 住居 土産 支出計 円換算 日平均
日本 23,990
内訳
0 104,744 104,744 5 20,949

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春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋

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