旅って何?
人生そのものが旅。それを凝縮したものが本当の旅。もちろん、旅に出たからと言って、表面的な事柄しか目に入らないこともあるだろう。しかし、国内に留まっていては決してなし得ない体験をすることができるのも事実。
それによって何を得られるかということを前もって説明することは難しい。でも何かがある、いやあるに違いないと思って人は旅をするのだろう。
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世界の厳しい現実を知る?
日本は世界で最も治安のよい国だと言ってよいであろう。また、欲しいものは何でも手に入るようになっている。そして、それが当たり前だと思うようになっている。タフ・ネゴシエイションなど無縁の世界が広がってきた。しかし、世界の現実はそれほど甘いものではない。厳しい現実を知らなければ、井の中の蛙になってしまう。
日本の常識は必ずしも世界の常識ではない。それを知るために旅は最適だと思う。もちろん、日本の常識が世界の常識でないとしても何も卑下することはない。日本の方が優れた制度を持っていることもあるし、そうでないこともある。ただ、日本の常識と世界の常識が違うということを知っていることは大事なことだと思う。
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あえて厳しい生活を求める?
日本では、ある意味で最高の生活水準を享受することができる。そして、それを当然だと思ってしまうようになっている。度が過ぎれば、スポイルされてしまっていると言ってよいだろうか。そこからは、将来に向かってチャレンジする姿勢は生まれづらい。しかし、世界の現実はそれほど甘いものではない。旅によってそれを知ることができる。
慣用句にもある。
「かわいい子には旅をさせよ。」
「旅は憂いもの辛いもの。」
そのような旅の辛い側面を自ら求めようとする姿勢がバジェット旅行者にはあると思う。
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最近の若者の傾向
最近、海外旅行に出かける若者が減っているという。どういうことであろうか。
若者にとって厳しい雇用情勢が続き海外旅行に出かける金銭的余裕がなくなっていること、特に大学生は新規学卒時の就職活動に失敗すると再挑戦が難しいため海外旅行どころではないこと、世界遺産の映像や海外旅行記などを頻繁に目にするようになって海外が珍しいものではなくなってきたこと、海外に出かけなくても国内で貧困などの問題に直面するようになってしまったことなどが関係していると言ってよいであろう。
それでも、国内に留まっていては見えないことはあると思う。海外に出かけるハードルの中で語学力の問題は大きいと考えられ、小学生に対する英語教育が進むと、もっと海外が身近に感じられるようになるかもしれない。小学3年からと言わず、1年から教育を始めたらよいのではないかと思う。ネイティヴ・スピーカーの教師の拡充も忘れないでもらいたい。
(2013年1月20日執筆、2020年11月17日更新、2024年8月21日掲載)
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