旅べえ > 第5部旅草子 >

←後 / 前→

オーストラリア

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

写真
広州白雲空港

写真
越秀公園付近

写真
天宇公寓

■広州での滞在時間は、13時間程度であった。そのため、広州白雲空港と地鉄で繋がっている市内に宿泊先を求めることは十分に可能であった。しかし、交通至便な宿泊施設を探しているうちに、空港付近の宿泊施設を予約することに思いが至った。翌日の起床時刻を遅くすることができるためだ。空港付近で、アパートメントと称する割安な宿泊施設を確保することのできる見込みが立ったことも影響している。

空港付近の宿泊施設と言っても、歩いて向かうことができるわけではない。一旦チェックインすると、市内に入るための安価な交通手段の確保は難しいと予想された。そこで、当地に到着すると、チェックイン前に一旦市内に入ることにした。最初に地鉄に乗って越秀公園站に向かい、次に汽車に乗って広州站に向かった。何かを見物するというよりも、町の賑わいを確認することが目的であった。また、汽車の乗り方を忘れないようにしておきたいという思いもあった。

空港に戻ると、送迎車を呼ぶためにアパートメントに電話をかけなければならない。しかし、国内への通話であっても国際通話扱いとなるスマートフォンは用いたくない。公衆電話の使い方が分からなくて困ったが、服務台で尋ねると、市内通話は3分まで無料だという。電話をかけるとすぐに送迎車が来て問題なくアパートメントに向かうことができた。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

写真
キングズフォード・スミス空港

■シドニのキングズフォード・スミス空港は、中心部から約10kmと非常に近い場所にある。それなのに、エアポート・リンクの列車料金は17.40AUドル(1AUドルは約88.4円)と高く、しばらく考え込んでしまった。オーストラリアでは、その後も物価高のために悩まされた。

写真
レイルウェイ・スクウェアYHA

写真
レイルウェイ・スクウェアYHA

写真
レイルウェイ・スクウェアYHA

予約した宿泊施設は、セントラル駅の近くにあるユース・ホステルであった。夜のセントラル駅を眺めた後、ユース・ホステルに向かった。交通至便な場所にあることは、何物にも代え難い価値がある。ドミトリには、個別に旅行している3人の若いブリティッシュ男性がいた。翌日、男性のうちの一人に話しかけてみると、当地で3か月働いた後、オーストラリアやアジアを1年間にわたって旅行する予定だという。オーストラリアの物価高は、ブリティッシュから見ても際立っているとのことであった。日本でバジェット旅行を行う秘訣を教えてあげる一方、当地の見所を教えてもらった。会話中に、列車を改造したドミトリに移る機会を逸したが、同宿者との交流を優先するべきところであろう。ほかに、オーストラリアやニュージーランドでできるだけ長く就業することを希望している若いドイツ人男性やフィンランド人男性もいた。自国で就業することが難しいためか、オーストラリアの方が待遇がよいためか、あるいは観光が主目的なのかは分からなかった。

当地では、キャンベラ訪問日を挟んで、到着翌日はサーキュラー・キーを中心に、出立前日はダーリング・ハーバーを中心に訪ねた。ジョージ・ストリート、ピット・ストリート、キャッスルレイ・ストリート、エリザベス・ストリートなど、趣のある町並みを堪能することができた。

写真
サーキュラー・キー

写真
ザ・ロックス

セントラル駅から北に向かってシティを進み、ピット・ストリート・モールを過ぎてしばらくすると、サーキュラー・キーが姿を現す。シドニ・オペラ・ハウスやシドニ・ハーバー・ブリッジを一望することができた。シドニ・オペラ・ハウスは、ヨットの帆をイメイジしているとのことで、世界で最も新しく建造された世界遺産だそうだ。国の歴史が浅いためやむを得ないのであろう。ただし、ファースト・フリート(入植船団)上陸地周辺はザ・ロックスと呼ばれ、歴史を感じさせる建造物を堪能することができた。この界隈を歩くことをヘリテイジ・ウォークと呼ぶらしい。シティの東にあり、南半球最大の歓楽街と言われるキングズ・クロスへも、シドニ・トレインに乗って向かったが、むしろ安宿などバジェット旅行者にとって便利な機能が備わった街のように思われた。小ぢんまりとしたシドニ・ユダヤ人博物館には、アンネの日記を出版したオットー・フランクの手紙が展示されていた。
写真
シドニ・ハーバー・ブリッジから

写真
サーキュラー・キー

写真
リトル・ペンギン

写真
マダム・タッソーの蝋人形館

シティの西にあるダーリング・ハーバーには、アトラクションが集中している。スィー・ライフ・シドニ水族館の見所は、リトル・ペンギン、デュゴン、カモノハシであろうか。マダム・タッソーの蝋人形館へは当地縁の俳優ニコウル・キッドマンさんに出迎えられ、中に入ると連合王国のエリザベス2世(エリザベス女王)とウィリアム王子同妃に挟まれて椅子に座ることができる。ワイルド・ライフ・シドニ動物園では、追加料金を支払うとコアラに最接近することができる。抱かせてもらうことはできないが、コアラに頭を触ってもらって喜んでいる人もいた。3つのアトラクションに入場することのできるパスを事前に買っていたが、ターリング・ハーバーでは5つのアトラクションに入場することのできるパスも同料金で売っており、理由を理解することはできなかった。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

写真
ジョリモント・センター

写真
シティ・ヒル

写真
代議院

写真
国会議事堂遠景

■キャンベラ滞在時間を十分に確保するため、シドニからの往路は始発バスを、帰路は終発バスを予約していた。シドニを暗いうちに出発するため、事前に出発場所を確認しておく必要があった。また、当地では公共交通機関が発達していないため、まず自転車を借りて郊外を訪ね、次に中心部を歩いて訪ねることにした。自転車には、両足を同時に地面に付けることができないぐらい大きいほか、ペダルを逆回転させるとブレイクがかかり、停車時にペダルの位置を変えることができないという問題があった。

ジョリモント・トゥーリスト・センターから北に10km進むと、コッキントン・グリーン・ガーデンズがある。世界の建造物のミニチュアが揃っている。コモンウェルズ(連合王国を中心とした国家共同体)の一員であるためか、連合王国の名もない町並みがかなりの場所を占有していた。連合王国出身者が故郷を懐かしむことができるようにとの配慮なのかもしれない。世界の建造物は、ヨーロッパや西アジアのものなど、ほとんどがまだ訪ねたことのないものであった。

自転車を返却すると、シティ・ヒルやキャピタル・ヒルに向かおうとしたが、自動車優先の道路整備のため、どちらの方向に向かえばよいのかなかなか理解することができなかった。シティ・ヒルではサークルの内部にベンチがあったため歩を進めていたところ反対側は段差があって簡単に外に出ることができないようになっていたり、自動車がかなりの速度を出して走っている道路に行き当たったりと、行く手を阻む壁は高かった。国会議事堂は、無料のトゥアーに参加して内部を見物した。代議院や元老院は小ぢんまりとした部屋であった。オーストラリア戦争記念館では、時代ごとの戦闘方法の変化が分かるように展示が工夫されていた。

人工都市と言っても、バーリー・グリフィン湖を擁し、自然は十分に残されている。ほかの町との違いは、成り立ちが計画的に設計されたものかどうかという点に尽きると言ってよいのではないだろうか。自動車を持たない居住者のための生活環境がもっと整うと、ほかの町の居住者から嘲笑されることもなくなるのではないかと思う。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

■メルボルンは、キャンベラが首都になる前の1920年代までの臨時首都であり、シドニのライヴァルだ。

写真
サザン・クロス駅前

写真
スペイス・ホテル

シドニからのフライトが到着したのは、中心部から遠いアヴァロン空港であり、エアポート・バスに乗ってサザン・クロス駅に向かった。そして、ドミトリを予約したメルボルン・セントラル駅付近にあるホテルに向かおうとしたが、目的のトラムが来ない。そこで、最寄駅には停車しない別の路線のトラムに乗って向かうことにした。フリー・トラム・ゾウンの外周を周回するシティ・サークル・トラムは、無料ゾウンしか走らないため、車体が古い上に運行頻度が低いのかもしれない。路線の種類は多いため、臨機応変に対応するのが吉だ。

ホテル内には旅行代理店があり、ぜひ参加したいと考えていたフィリップ・アイランドのペンギン・パレイドを見物するトゥアーを取り扱っていた。午後すぐに出発するとのことなので、すぐに申し込み、急いで出発場所に向かった。

写真
コアラ

写真
カンガルー/ワラビ

トゥアーには、地元の人のほか、様々な国の人が参加しており、ミニ・バスに乗って出発した。最初にムーンリット・サンクテュアリを訪ねる。ここでも追加料金を支払うとコアラに最接近することができるようになっている。また、放し飼いになっているカンガルーや、小型カンガルーと呼びたくなるワラビに餌をあげることができる。ある程度は人間になついているのであろうが、最初は警戒している。しかし、雀鳴きをすると寄ってきた。カンガルーは、警戒を解くと、一気に駆け寄ってくる。鹿ぐらいの大きさの動物が飛び跳ねながら突進してくるため、スリリングだ。餌を持つ右手を体の正面に置くのではなく、右側に外すことによって、正面衝突する危険を回避した。ほかに、狼の一種ディンゴやダチョウに似た大型の鳥エミューも飼われていた。

写真
ペンギン・パレイド場所付近

写真
ペンギン・パレイド場所付近

見物が終わると、2〜3日間のトゥアーのトゥアー客と合流してフィリップ・アイランドに向かう。途中、大雨に遭い、見物どころではないと観念したが、幸いなことに局地的なものであった。ペンギン・パレイドが行われる場所に到着すると、観覧席に並んで座ることになっている。十分に暖かい服装ではなかったため、寒さに耐えながら待つことになった。日が暮れると、リトル・ペンギンがよちよちと陸に上がってくる。隊列を組む者もいれば、組まない者もいる。波に足元を掬われて海に引き戻されてもまた這い上がってこようとする。とてもかわいい。1日の漁を終えて巣に戻る途中だという。また、暗くなってから行動を始めるのは天敵に襲われないようにするためらしい。驚かさないよう撮影禁止となっているが、カメラを取り出す人もいて残念に思った。ハウスに戻ろうとすると、よちよちと歩いて巣に向かっているペンギンと鉢合わせした。思い出に残るトゥアーであった。

写真
レイン・カフェ

写真
王立展示館

翌日は、市内見物をした。サザン・クロス駅から歩き始め、バーク・ストリートを東に向かい、州会議事堂まで来ると今度はコリンズ・ストリートを西に戻った。シドニとは異なる伝統を感じさせる建物が多いように思われた。この両ストリートと、フリンダーズ・ストリート駅から伸びているエリザベス・ストリート、スワンストン・ストリートがメイン・ストリートであり、一角は多くの人で賑わっていた。アヴァンギャルド(前衛的)絵画とされるグラフィティのあるホッシャー・レイン、王立展示館、ウォーターフロント・シティなどを見物した。メルボルン博物館では、リトル・ロンズデイルにあったとされる居住環境のよくない住居の展示が印象的であった。

夜になってタラマリン空港を出発し、翌日、広州白雲空港を経由して帰国した。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

■自ら進んでアジア以外の地域を訪ねたのは、海外滞在中のものを除くと、初回のヨーロッパ旅行以来29年振りのことであった。北半球とは季節が逆だが、シドニは初秋、メルボルンは中秋という風情であった。

写真
レイルウェイ・スクウェアYHA

現地での1日平均の旅行費用は約8,800円であった。旅行費用のうち宿泊料金の最高はシドニ2泊目からの約4,000円(3,982円)で、最低は広州の約2,400円(138元)であった。物価高対策のため、ユース・ホステルやホテルのドミトリを利用するなどしたが、費用は嵩んだ。なお、ユース・ホステルなどの利用を前提とした場合、南京錠、サンダル、タオル、石鹸の持参が必要であったと反省した。スーパーマーケットはあまり利用しなかったが、かなり割安な価格設定になっているようであった。トラヴェラーズ・チェックの利用が一般的ではなくなってきているため、交換レイトのよい現地通貨入手方法を確認しておく必要がある。キャッシュから両替するよりも、クレディット・カードのキャッシング機能を利用してATMで現地通貨を引き出す方が交換レイトがよいのではないかと思う。この方法により、シドニのユース・ホステルで現地通貨を入手した。初めての経験であったと思う。また、初回のヨーロッパ旅行以来の私的海外旅行に要した費用を渡航費用などを含めて合計すると、400万円に達した。

こちらのことを心配しているのか、不審に思われているのか分からないが、よく声をかけられた。連合王国の文化の伝統を引き継ぎながら独自の文化を生み出した地域がアジアの近くにあるということは興味深い。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

前訪問地発 当訪問地着 訪問地
出発 日本 東京
28日15:40 空路 19:45 中国 広州
29日08:20 空路 19:25 オーストラリア シドニ
1日05:00 道路 08:20 キャンベラ
19:00 道路 22:20 シドニ
3日07:05 空路 08:35 メルボルン
4日22:25 空路 5日05:45 中国 広州
09:35 空路 14:25 日本 東京
道路 :道路、 空路 :空路)

訪問地 宿泊先 単価
中国 広州 天宇公寓 CN.\ 138 1
オーストラリア シドニ Railway Square YHA AU.$ 35.89 1
JP.\ 3,982 3
メルボルン Space Hotel AU.$ 31.00 1

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
中国 CN.\ 17.5円 0 9.50
内訳
16
内訳
0 0
オーストラリア AU.$ 88.4円 19.95
内訳
87.70
内訳
232.30
内訳
0 221.55
内訳
日本 JP.\ 1.00円 0 0 0 0 0
通貨計 JP.\ 1.00円 1,764 7,921 20,821 0 19,591

国名 住居 土産 支出計 円換算 日平均
中国 138
内訳
0 163.50 2,859 1.5 1,906
オーストラリア 66.89
内訳
0 628.39 67,511 5.5 12,275
日本 11,945
内訳
0 11,945
内訳
0 1.0 0
通貨計 20,273 0 70,371 8.0 8,796
(注)円換算と日平均は他国通貨での支払いを含む。

出発

広州

シドニ

キャンベラ
メルボルン

抜粋

回顧

概要

春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋

旅べえ > 第5部旅草子 >

←後 / 前→