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中国P

出発

長沙

抜粋

中山
香港

回顧

概要

■長沙(チャンシャー)は、湖南省(フーナンション)の省都だ。広州から北に約700km向かった内陸部にある。中国を訪ねると言っても、訪問先は広東省の町ぐらいしか念頭になかったが、ガイドブックを眺めていると、広州から長沙まで、高鉄(高速鉄道、高速動車組)を利用すると2時間半程度しか要しないという。急に足を伸ばしてみたくなった。

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紅勘站

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長沙行CRH(左)

香港の赤鼡角空港からエアポート・エクスプレスに乗り、九竜站で紅勘站に向かうシャトル・バスに乗り換える。そして、直通特快の1等座に乗って広州に向かった。広州では、地鉄に乗って広州東站からCRHが出発する広州南站まで大移動することになる。広州南站には予想通り巨大な站舎が建っており、售票処を走り回って探さなければならなかった。また、2等座の切符を手にしても、試練は続いた。電光掲示板に予約した列車が表示されないのだ。出発時刻が迫ってきたため、服務台で教えてもらったプラットフォームに向かったが、改札が始まる様子はない。站員に指し示してもらった電光掲示板をよく見ると40分の遅延になっており、変更後の出発時刻に従って並べられているため、見つけづらくなっていたことが分かった。電光掲示板の情報がどんどんスクロウルすることも見つけづらさを加速していた。また、プラットフォームは多いのに、3分後に出発する予定の列車が隣のプラットフォームに入線することになっており、しかもそちらの方が先に改札が始まるという分かりづらさであった。CRH内ではマナーのよい中国人が多いように理解していたが、この旅ではスマートフォン上の動画を大音量で再生するなど傍若無人に振る舞う人が多く、残念に思った。

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市街

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長沙站

長沙南站に到着したのは、日付が変わってからであった。タクシー乗車とホテル宿泊の勧誘が1件ずつあったが、後者に従うことにした。夜道を自動車に乗って向かうことになるが、人里離れた場所に連れていかれて襲われる危険もあり、強行日程を組んだことを反省した。しかし、程なくしてホテルに到着した。深川で泊まった宿泊施設と同じく、アパートメントの一角をホテル用に設えたもののようであった。香港や広州から遠く離れ、内陸にあるためか、東京並みの寒さであり、暖房が入っていないのは辛かった。

夜が明けると地鉄に乗って長沙站に向かい、広州までの翌夜の特快・硬臥を予約するとともに、近くにあるホテルに移った。特快は、高鉄と比べて所要時間は3倍かかるが、夜行列車であれば宿泊先のために頭を悩ませる必要がない。烈士公園と暁園公園を訪ねた後、天心公園に向かおうとしたが、道に迷ったため断念した。


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劉少奇故居

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吃飯屋

翌日は、郊外でエクスカーション(小旅行)を行うことに決めていた。候補としては、毛沢東故居のある韶山風景名勝区と、劉少奇(リウ・シャオチー)故居のある花明楼景区(劉少奇故里)が挙げられたが、CRHに乗ってエクスカーションを行うという形式には馴染むことができなかったため、後者を選ぶこととし、汽車西站から汽車に乗って向かった。劉少奇と言えば、1958年からの大躍進政策の失敗の後、毛沢東に代わって国家主席に就任したものの、文化大革命中に毛沢東との政争によって反革命派の烙印を押されて失脚し、不幸な最期を遂げている。名誉回復がされていたことは知らなかった。劉少奇の若い頃の生活の様子が分かって興味深かった。ただ、景区として整備されたためか、ほかに住居跡が見当たらないことは残念であった。また、日中戦争で活躍した経歴があるためか、コリア語による説明文はあるのに、日本語による説明文はなかった。

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岳麓書院

中心部に戻ると、岳麓山に登った。市街のすぐ近くから登り始めることになる。徒歩で登ってもすぐに山頂まで登ることができるのではないかと考えて登り始めたが、それほど簡単なものではなかった。サンダルを履いていたが、両足とも踵を固定するためのストラップが外れてしまった。愛晩亭を経て、宋の時代に創建された岳麓書院を後門から訪ねることになった。

翌朝、広州站に到着すると、市汽車客運站から中山行汽車に乗った。
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湘江


出発

長沙

抜粋

中山
香港

回顧

概要

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孫文西路

■中山(ジョンシャン)は、香港と広州の中間に位置し、赤鼡角空港から直接船で乗り付けることもできる。当地出身の孫文(中山)に因んで命名された。

中山汽車総站に到着すると、中心部と目される孫文西路を目指した。ホテルは幸先よく見つかった。歩行街に因んで歩行賓館という名前だ。郊外にある孫中山故居は訪ねないので、見所は多くない。往時の風情を再現しようと努めている歩行街や孫中山記念堂などを訪ねた。新年のカウントダウンに参加したかったのだが、前日の疲れのため、早々に寝入ってしまった。

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拱北口岸付近

年が改まり、路上にごみが散乱しているのを横目に、汽車停留所のような場所から汽車に乗って珠海に向かう。珠海に近づくにつれて例によって交通量が多くなってきたが、それほど深刻なものにはならなかった。珠海の拱北口岸付近はさらに発展し、マカオを圧倒しているとの印象を受けた。

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外港客運碼頭

マカオでは、観光はしなかったが、関門から外港客運碼頭まで歩いて向かったため、様々な町並みを堪能することができた。そして、香港行ターボ・ジェットに乗り込んだ。

出発

長沙

抜粋

中山
香港

回顧

概要

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重慶大厦

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重慶大厦

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百利賓館

■香港では、九竜にある中港城碼頭に到着し、MTRに乗って重慶大厦に向かった。客引きがいないと調子が出ないため、周辺を行ったり来たりした。滞在した2日間が祝日と振替休日に当たっており、料金交渉で相対したゲストハウスのオウナーは強気であったが、何とかディスカウントしてもらうことができた。重慶大厦のゲストハウスにしては珍しく、窓のある部屋であった。

旧暦ではなく新暦の正月とは言え、3連休なので、中国本土からの観光客が大挙して押しかけてきていたようだ。一人ではレストランには入りづらく、食事時間帯を外して出かけたり、重慶大厦内の空いているレストランに入ったりした。重慶大厦のロビー階と1階を歩いてみると、南アジア系や西アジア系のレストランが多い。客には、それらの地域の出身者に加えて、アフリカンもいる。また、多くのレストランはあまり集客に成功していないようで、シャッターが降りている店も多かった。裏口などは、不衛生なように思われた。改装はしているようだが、地の利が最高なのに有効活用することができていないわけだ。1961年築という年代物であり、そろそろ建て替えるべき時期なのかもしれない。一方、尖沙咀の彌敦道付近のレストランは、強気の料金設定を行っているように思われた。もっと中心部を離れたレストランが狙い目なのかもしれない。

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男人街

市街では、初めて女人街(通菜街)や男人街(廟街)と呼ばれる露天商街を訪ねた。取り扱っている商品に大きな相違はないように思われた。

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尖沙咀碼頭から

最終日は、出立までの時間を利用し、スター・フェリーに乗って香港島の中環を訪ねた。

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赤鼡角空港

遅れ馳せながら、赤鼡角空港と中心部の間は、エアポート・エクスプレスではなく、エアポート・バスを利用するのが割安だということが分かった。そこで、早速エアポート・バスに乗って空港に向かった。

出発

長沙

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中山
香港

回顧

概要

■日本出国時、キャッシュの持ち合わせが少なく、ATMを利用することができないと、旅の継続に支障を来す恐れがあった。香港ではなぜか利用することができなかったが、長沙で利用することができた。人心地がつくと同時に、準備不足を反省した。

現地での1日平均の旅行費用(土産費を除く)は約5,200円であった。旅行費用のうち宿泊料金の最高は長沙1泊目の約2,300円(120元)で、最低は同2泊目の約1,700円(88元)であった。

長沙で磁浮の試験営業運転が始まるなど、中国全土で交通網の整備が進んでいる。都市間交通と都市内交通を一層整備するとともに、售票体制も刷新してもらいたいものだ。また、以前から感じていることだが、自助售票機の使い勝手は悪い。少なくとも外国人に使い方を教わらなければならないようなことは起こらないようにしてもらいたいものだ。一方、自動車社会のため、歩行者は不便を強いられる。立体交差のため階段を降りていくと、その先に横断歩道が待ち構えているということもあった。改善を期待している。

出発

長沙

抜粋

中山
香港

回顧

概要

前訪問地発 当訪問地着 訪問地
出発 日本 東京
28日08:35 空路 12:50 香港 香港
16:35 鉄路 18:40 中国 広州
21:25 鉄路 29日00:25 長沙
29日
30日22:05 鉄路 31日06:05 広州
06:50 道路 09:00 中山
1日09:00 道路 10:20 珠海
11:30 徒歩 11:50 マカオ マカオ
14:10 水路 15:20 香港 香港
3日15:50 空路 21:00 日本 東京
徒歩 :徒歩、 道路 :道路、 鉄路 :鉄路、 水路 :水路、 空路 :空路)

訪問地 宿泊先 単価
中国 長沙 301賓館 CN.\ 120 1
嘉禹賓館 CN.\ 88 1
中山 歩行賓館 CN.\ 98 1
香港 香港 百利賓館 HK.$ 150 2

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
香港 HK.$ 15.1円 0 283
内訳
514
内訳
0 0
中国 CN.\ 19.5円 0 44
内訳
625
内訳
0 50
内訳
マカオ −円 0 0 0 0 0
通貨計 JP.\ 1.00円 0 5,120 19,934 0 975

国名 住居 土産 支出計 円換算 日平均
香港 300
内訳
111 1,208
内訳
14,020 3.2 4,381
中国 306
内訳
0 1,025 19,996 3.7 5,404
マカオ 0 0 0 2,500 0.1 24,999
通貨計 10,488 1,672 36,517 7.0 5,217
(注)円換算と日平均は他国通貨での支払いを含み、土産費を除く。

出発

長沙

抜粋

中山
香港

回顧

概要

春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋

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