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中国O

出発

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北京
大同

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概要

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北京站

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北京站

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折畳式椅子

■北京首都空港到着は、当初の予定よりも1時間半の遅延であった。市内に入るため、初めて地鉄機場線を利用した。しかし、東直門站に到着した時点で大同行火車の出発時刻になっていた。そこで、北京北站ではなく、北京站に向かうことにした。列車料金や予約済みのホテルの宿泊料金は高額ではなかったため、旅程を根本的に見直すという選択肢もあったが、售票庁で、深夜に出発する快速・無座の切符を買うことにした。6時間も立ち続けていることができるかどうか心配であったが、我慢することにした。また、帰路の切符を受け取ろうとしたが、掌を広げて「ファイヴ(5)」と言うのみで、渡してくれない。意味を理解することができず、別の窓口に並び直すと、手許にある5元(1元は約17.9円)札を見せてくれた。列車料金は支払済みであったが、切符の受け取りのために手数料が必要なのだと理解した。不必要に複雑な仕組みは改めるべきだと思うとともに、最初の窓口の站員は「ファイヴ・ユアン(5元)」と説明してくれればよかったのにと思った。

出発まで北京站前を歩いていたが、露天商で売っていた折畳式椅子が目に留まった。無座の乗客が利用するためのものだと理解し、10元と格安であったため、即座に買った。列車に乗り込むと、予想以上に多くの乗客がいた。無座の乗客は連結部付近に集中していた。何とか椅子を広げて座ることができた。無座の外国人乗客は珍しいのか、乗務員が入れ替わり立ち寄って、本当に無座でよいのか、目的地はどこなのか、椅子を広げる場所を確保しているのかと確認してくれるなど親切にしてくれた。椅子は非常に役立ったが、近くに灰皿があり、着座の人を含めて多くの乗客が近くに来てタバコを吸うことには閉口した。

出発

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北京
大同

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大同站

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泰佳賓館火車站店

■大同(ダートン)には、6時半頃に到着した。戦国時代以来の歴史を有するという町だ。公共交通機関を利用して訪ねることが難しい観光名所が多いため、客引きがしきりに声をかけてくる。適当にあしらってホテルに向かった。チェックイン・タイムまでまだ時間があったためホテルのロビーでくつろいでいると、壮年の男性に声をかけられた。隣接する旅行代理店のオウナーらしい。そして、ホテルのスタッフは英語を話すことができなかったため、通訳してくれた。それによると、宿泊客のチェックアウトが終わっていないため、予約していた割安の部屋は空室がないという。空室ができるまで待つと応じたが割高の部屋を強く勧められた。そこで、ディスカウントしてもらった上で応じることにした。割安の部屋は共同シャワーなので、外国人を泊めたくなかったのであろうか。当初宿泊予定であった初日の予約は手数料なしでキャンセルすることができた。

写真
第3窟

写真
第20窟

仮眠をした後、タクシーのチャーターなどは行わずに観光することとし、直通の公共汽車に乗って雲崗石窟に向かった。多くは北魏の都平城であった5世紀に開削されたものだという。雲崗最大の石窟の奥深くに彫られている第3窟、最も早く掘り始められた曇曜五窟と呼ばれる第16窟〜20窟など目を見張る仏像が目白押しだ。第16窟〜第19窟では巨大な立像が石窟の中に彫られ、仏像の顔と同じ高さの穴から覗くことになっているため、遠くに離れないと見ることができない。シンボルの第20窟は石窟が崩落し、露天仏像となっている。竜門石窟の奉先寺の盧遮那仏と比べると、素朴な顔立ちだ。ガンダーラ様式やグプタ様式の影響なのか、目鼻立ちがはっきりしているという印象を受ける。第9窟〜第13窟の五華洞は修復中のため見物することができなかった。雲崗最大の釈迦牟尼座像のある第5窟や第6窟の前には楼閣が建っている。後代の手による彩色は議論のあるところであろう。また、写真撮影は許可されておらず、代表的な石窟であるだけに残念であった。

写真
懸空寺

翌日は、郊外にある懸空寺(シュエンコンスー)を訪ねることにした。大同汽車站から汽車に乗り、渾源でタクシーに乗り換えて向かう。やはり5世紀に造営されたもので、岸壁の中腹に張り付くように建てられた建物が桟道で繋がっている。このような様式で建てられたのは、世俗から離れて修行するためであろうか。五岳の1つとして北岳と呼ばれている恒山(ホンシャン)にも立ち寄りたかったが、乗合タクシーに乗って直接大同に戻ることになったため、希望は叶わなかった。

写真
九竜壁

市内では、華厳寺、鐘楼、鼓楼、九竜壁などを見物した。あまりにも大規模に古城の再開発を行っており、呆れてしまうほどだ。再開発された地域と未開発の地域の落差も大きいように感じた。また、市民生活を分断する城壁の修復は議論のあるところであろう。このような場合には、日本のガイドブックも、ロウンリ・プラネットのように、皮肉を交えた記述をしてもらいたいものだ。

写真
北京站

夜になって瀋陽行火車に乗り、翌早朝、北京に戻った。北京站付近で北京首都空港に向かう機場巴士の後を追っていると、乗合タクシー乗車を勧誘されたため、応じることにした。

空港では、セキュリティ・チェックに際して、歯磨き剤が100mLを越える液体だとして放棄させられた。初めての経験であった。

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北京
大同

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■現地での1日平均の旅行費用は約4,100円であった。旅行費用のうち宿泊料金(1日)は約1,600円(90元)であった。

火車のオンライン予約は、窓口での購入と比べて6割程度高くなっているが、事前に旅程を確定させることができるのは非常にありがたいことだ。帰国が迫っている時に、火車の空席があるかどうか心配する必要がなくなるのだ。硬臥を確保することも容易になる。泣く子も黙る火車旅行の手配の様相は、一変することになるかもしれない。

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北京
大同

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概要

前訪問地発 当訪問地着 訪問地
出発 日本 東京
15日15:20 空路 18:05 中国 北京
16日00:20 鉄路 06:25 大同
17日22:10 鉄路 18日04:35 北京
08:15 空路 12:50 日本 東京
鉄路 :鉄路、 空路 :空路)

訪問地 宿泊先 単価
中国 大同 泰佳賓館大同火車站店 CN.\ 90 1

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
中国 CN.\ 17.9円 15
内訳
119.60
内訳
427.50
内訳
0 260
内訳
通貨計 JP.\ 1.00円 268 2,139 7,646 0 4,650

国名 住居 土産 支出計 円換算 日平均
中国 90
内訳
0 912.10 16,313 4 4,078
通貨計 1,610 0 16,313 4 4,078

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春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
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夏 秋 冬 春
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