旅べえ > 第4部旅草子 >

←後 / 前→

中国 / ←─後 / 前→

中国G

出発

杭州

抜粋
上海

回顧

概要

写真
国際青年旅舎

写真
国際青年旅舎

■杭州南(ハンジョウナン)站に到着した時には既に日が暮れていた上、ちょうど雨が降り出してきて気分を滅入らせた。中心部から離れていることが分かっていたため、まずは公共汽車に乗って杭州站に向かうことにした。若い男性と筆談をしようとすると、英語を話すことができるという。杭州站に向かう汽車停留所を教えてもらった。杭州站は城站と呼ばれるらしい。中央駅という意味であろうか。杭州站に到着すると、公共汽車を乗り換えるということも考えたが、雨中、目的の公共汽車を探すことは難しかった。結局、料金交渉をして電動三輪車に乗ることにした。交通渋滞が起こっていたが、道路を一部逆走するなど機転を利かせて走ってくれた。個室を予約してあった青年旅舎は小道に入り込んだ場所にあり、見つけづらいものであったが、緑に囲まれた心地良い静寂を作り出していた。

写真
涌金公園

翌日は、幸いなことに好天に恵まれ、朝から西湖十景巡りを中心に精力的に歩き回った。青年旅舎は西湖東岸にあって抜群の立地であり、その北側は湖浜晴雨と呼ばれている。涌金公園では壮年の女性達が音楽に合わせて軽快に踊っていた。中国における健康の秘訣であろう。湖浜路付近は外国資本の小売店が進出する繁華街になっていたが、西湖との間には花壇や公園が配置され、喧騒が届かないように配慮されている。

写真
白堤

北岸には白堤が築かれている。9世紀に唐の地方長官として当地に赴任した詩人の白居易によるものだ。当地を出立するに際して民衆から別れを惜しまれる様子が銅像になっており、慕われていたようだ。白堤東端は断橋残雪と呼ばれている。雪見の名所のようだ。両岸に湖が広がり、心地良い。

写真
阮敦環碧

白堤西端は平湖秋月と呼ばれている。平月台から眺める湖面に浮かぶ満月が有名のようだ。高台には奥行きのある中山公園があった。初回の旅の際に泊まった杭州飯店は、香格里拉飯店と改称して当時と変わらぬ風格を醸し出していた。

写真
曲院風荷

そこから西岸には向かわず、西湖を南北に貫く蘇堤を進んだ。11世紀に宋の地方長官として当地に赴任した詩人の蘇軾(東坡)が築いたものだ。蘇堤春暁と呼ばれている。「春はあけぼの」に景観が引き立つようだ。東側には遠く繁華街が見えている。

写真
三潭印月

蘇堤南端の花港観魚から游船に乗って三潭印月に向かう。曲がりくねった橋が島中の池に架かっているのが特徴だ。
写真
三潭印月から

写真
雷峰塔

写真
長橋

写真
杭州站

■南岸には雷峰塔が建っており、雷峰夕照と呼ばれている。ここで售票処を見つけ、上海行CRHの切符を買おうとして、問題の発生に気付いた。提示を求められたパスポートが見つからないのだ。デイパックに入れておいたはずだが、西湖観光中に盗まれたのであろうか。パスポート紛失とは豊富な海外旅行経験の中でも最大の失態だ。ただ、掏摸に遭ったという感覚はなかった。そこで杭州到着以来の出来事を振り返ってみると、青年旅舎にチェックインするために提示した後、パスポートを返してもらっていないのではないかと思われてきた。パスポートが見つからず在上海総領事館で帰国のための渡航書を発行してもらわなければならない事態も想定しながら青年旅舎に向かって走った。青年旅舎の近くまで戻ってきていたのは幸いであった。到着すると、スタッフが外に出ていて、出迎えてくれた。パスポートを預かったままになっていて心配してくれていたようだ。無事帰国することができると分かり、一安心であった。パスポートの返却後、謝罪のために杭州站までタクシーで送り届けてくれた。

そこで、杭州站の售票処に向かうと、大勢の人で溢れ返っていた。これではCRHの切符を買うのは容易なことではない。雷峰塔付近の售票処では切符を買う寸前であったのにと悔やまれた。しかし、站前には汽車の售票処があり、上海行の切符を売っていた。高速で走るCRHと比べて割高であったが、汽車に乗って上海に戻ることにした。市内見物をすることができなくなってしまったことは少し残念であった。

出発

杭州

抜粋
上海

回顧

概要

写真
蘇州河

■上海長途客運南站は、上海南站に隣接していて便利だ。到着すると、人民広場付近にある予約済みの青年旅舎に向かった。青年旅舎は、調度はともかく、外に出ると蘇州河が流れており、中心部にあるにも関わらず落ち着いた雰囲気の中にあることが魅力であった。

写真
南京東路

その後、南京東路に繰り出し、ネオン・サインが映える繁華街に見とれたり、日本料理店で山菜料理に舌鼓を打ったりした。

写真
人民広場站

帰国便の出発時刻が早く、地鉄の運行開始を待って出立する余裕があるかどうか微妙であった。そこで、せめて乗り換えの必要がないよう、青年旅舎の最寄站の隣站である人民広場站まで歩き、始発列車を待った。

出発

杭州

抜粋
上海

回顧

概要

■パスポートの管理の重要性については、改めて想起しておきたい。

写真
井岡山行火車

火車の切符は、運行頻度の高いCRHの開業によって買いやすくなったという印象を持っていたが、場合によるということを肝に銘じておかなければならないようだ。杭州の場合、杭州站構内と雷峰塔付近の售票処の混み方が全く異なっていた理由ははっきりとは分からないが、乗車站でない場合や、乗車站であっても始発站でない場合は切符を買いづらいという状況は、情報ネットワークの時代にふさわしくない。早く改善してほしいものだ。

現地での1日平均の旅行費用は約2,600円であった。旅行費用のうち宿泊料金の最高は杭州の約2,300円(157元)で、最低は上海の約1,100円(78.31元)であった。一方、初回のヨーロッパ旅行以来経験した国境越えが201回となった。内訳は、空路129回、道路40回、水路22回、鉄路10回だ。

短期間のものではあったが、華中の旅は満足することのできるものであった。春秋航空は今後も利用していきたい。紹興(シャオシン)や寧波(ニンポー)などの訪問が視野に入るであろう。

出発

杭州

抜粋
上海

回顧

概要

前訪問地発 当訪問地着 訪問地
出発 日本 東京
1日08:10 道路 09:35 茨城
13:20 空路 15:20 中国 上海
18:10 鉄路 20:45 杭州
2日13:50 道路 15:55 上海
3日08:40 空路 12:20 日本 茨城
13:45 道路 15:20 東京
道路 :道路、 鉄路 :鉄路、 空路 :空路)

訪問地 宿泊先 単価
中国 杭州 国際青年旅舎 CN.\ 157.00 1
上海 蘇州河畔国際青年旅舎 CN.\ 78.31 1
道路 :道路、 鉄路 :鉄路、 空路 :空路)

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
中国 CN.\ 14.4円 0 110.20
内訳
175
内訳
0 20
内訳
通貨計 JP.\ 1.00円 0 1,592 2,528 0 289

国名 住居 土産 支出計 円換算 日平均
中国 235.31
内訳
0 540.51 7,808 3 2,603
通貨計 3,399 0 7,808 3 2,603

出発

杭州

抜粋
上海

回顧

概要

春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋

旅べえ > 第4部旅草子 >

←後 / 前→

中国 / ←─後 / 前→