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マレイシアB 回顧

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概要

■以上が、マレイシア滞在の概要だ。約2年間の滞在によって様々な経験をすることができ、また初回のヨーロッパ旅行以来の海外渡航に費やした日数を合計すると1,074日と4桁に達した。

さらに、マレイシアの様々な側面を考察してみたい。

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■一般に、発展途上国に滞在する場合、銀行に大金を預けておくと債務不履行(デフォルト)に陥る恐れがあるため注意が必要だとされる。しかし、マレイシアの場合、大手銀行であればそのような心配は必要ないであろう。

為替レイトは、1USドル=3.8リンギットの固定相場制となっており、マレイシア経済の脆弱性に起因する為替リスクについて心配する必要はなかった。

小切手の利用は便利だが、引き落としがカレント・アカウントからのみなされることを念頭に置いておく必要がある。セイヴィング・アカウントにいくら残高があっても関係ないのだ。信用問題に関わるため、注意が必要だ。

ほかに注意が必要なのは、クレディット・カードだ。ホテルに泊まる時、支払能力の証明のために提示を求められることが多く、所持しておく必要はあると思うが、必要以上に利用していると不正利用される可能性が高くなる。ガス・ステイションでの支払いにまで利用を拡大し始めた頃、不正利用されていることに気付いた。利用記録に、利用した覚えのないものが含まれているのだ。カード会社に問い合わせると、利用記録を訂正するという。カード会社の損失はカード保険で補填されるのであろう。カード再発行までの間はカードを利用することができなくなってしまった。このようなトラブルを嫌ってクレディット・カードの利用を控え、ホテルに泊まる時は支払能力の証明のためにデポジットを渡している人もいた。

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■マレイシアでは、電圧は220Vであり、日本から電気機器を持参する場合は注意が必要だ。ノウトブック・コンピューターのACアダプターは対応していることが多いが、プリンターは対応していなかったらしく、1回使っただけで故障し、買い直すことになってしまった。また、マレイシア滞在中、ノウトブック・コンピューターのディスプレイに罅が入り、外付けディスプレイを接続せざるを得なくなった。パーソナル・コンピューターのモデムに過電流が流れることを防ぐ電話回線チェッカーも必須であろう。電源プラグは形状が異なるため、変換アダプターが必要であった。電源プラグのタイプを問わない万能アダプターは、他国でも使うことができて便利だ。

ビジネス・カードは、ザ・モール内の簡易店舗で作成してもらうことができた。パーソナル・コンピューターを使って作成するため受入先などのシンボル・マークを簡単に組み込むことができ、漢字の使用も可能であった。

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■連合王国の植民地であったマレイシアでは、道路が左側通行で、自動車のステアリング・ホイールは右側座席にある。そのこと自体は歓迎するべきことであった。

外国人でも簡単に運転を始めることができるため、交通規則に関する知識は十分ではなかった。たとえば「Awas」という道路標識は長らく「徐行」を意味していると思っていたが、実は「注意」を意味していたのであった。

ガス・ステイションでの給油は自分で行うことが多かったが、アメリカ合衆国滞在時に経験済みのため、問題はなかった。料金を前払いで支払い、ポンプのノズルを自動車の給油口に差し込んだ後はポンプから手を離してもよく、操作は往時よりも容易だと感じた。

自動車を運転することについての問題点は、いくつかある。

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ラジャ・チュラン通り

第1は、クアラルンプールの交通渋滞だ。バンコクほど深刻ではないかもしれないが、朝夕はなかなか自動車が動かなくなる。公共交通機関が発達していないことから、どうしても自動車やモウターバイクに頼らざるを得ないのであろう。スコールが降った時などの渋滞は特に深刻であった。

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ペトロナス・トゥイン・タワーから

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スルタン・イスマイル通り

交通渋滞の原因の1つとして、交差点の信号システムがある。交通量の多い交差点では、左側通行の国であれば直進車と左折車を優先的に通し、対向車線を横切ることになる右折車はその後で時間を限って通すのが通常だと思う。それによって、個々の自動車から見ると、右折する場合を除き概ね半分の時間が青信号となる。しかし、当地では、通常、右折車の制御を行っていないため、交差点に進入しようとする自動車を対向車と同時に通すことができない。つまり、4方向から向かってくる自動車を1方向ずつ別々に通さざるを得ないのだ。また、歩車分離式を採っていることもあり、個々の自動車から見ると青信号となる時間は5分の1程度になってしまう。タイと同じ方式だが、これでは渋滞にならない方が不思議だと思う。当地でも中には右折車の制御を行っている交差点はあり、交通当局はそのメリットを理解しているはずだと思うが、信号システムを変更しようとする動きは見られなかった。

また、右折禁止の交差点が多い割にはUターンすることのできる場所が少ないなど、意図した方向に走ることができないということが頻繁に起こる。そのため、道路事情に慣れないうちはスムーズに運転することができない。

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道路標識

さらに、ラウンドアバウト(ロウタリ)も交通量の増大に伴って機能しなくなってきているように思う。元々は、交差点を環状にすることにより、信号設置の必要性をなくすことを目的としたものだ。しかし、ラウンドアバウト内に自動車が入る余地が少なくなると、直前の出口から自動車が出た場合のみラウンドアバウトに入ることができるようになることも多い。時間帯によってはラウンドアバウトに入ることが非常に難しくなる入口もあるのだ。そのため、十字交差点を含めて警察官が交通整理に乗り出すことが多かったが、何に重点を置いて自動車を捌こうとしているのかがはっきりせず、かえって交通渋滞に拍車をかけているように思われることさえあった。なお、小さなラウンドアバウトへは、それと分からずに近づいてしまうこともあるため注意が必要だ。

第2は、自動車の運転が荒いことだ。

一般に、車間距離を取ることの必要性は認識されていない。高速道路走行中、先行車にブレイクがかかり、それに対応するために軽くブレイク・ペダルを踏むと、後続車が急ブレイクをかけざるを得ない状態になることがよくある。後続車が車間距離をほとんど取らずに走っているためだ。しかも、そのような事態になっても、衝突を回避した後は、何事もなかったかのように車間距離を広げることなく同じように運転しようとするため、やるせない思いをすることになる。

時速100km程度で走っていても、こちらのルーム・ミラーに後続車の前照灯が写らなかったり、極端な場合は後続車のボンネットが半分程度しか写らなかったりするぐらい接近していることがある。車間距離は1m程度となっているのではないかと思う。右側の追越車線が空いている場合も多く、必ずしも煽りではないと思う。

同じく高速道路走行中、隣の車線を走っていた前方の自動車にブレイクがかかり、車間距離を取らずに走っていた後続車が衝突を避けようとしてとっさにこちら側にステアリング・ホイールを切ろうとしてきたこともあった。あわや衝突するところであり、神経が疑われた。

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マスジッド・ジャメ駅前

第3は、モウターバイクの存在だ。

モウターバイクは四輪車の車列の隙間を縫って走り回り、場合によっては道路を逆走してくることもある。当然のことながら四輪車と衝突すると損傷を受けるのは圧倒的にモウターバイクであり、マレイシアではモウターバイクの運転手や同乗者が死傷者となる交通事故が多発しているが、被害者と言うことができるかどうかは分からない。高速道路の一部には、モウターバイク専用レインが設けられていた。市街では、四輪車とモウターバイクが接触して運転手同士で口論している光景をよく見かけた。また、旧市街などの狭い道路で渋滞に巻き込まれていると、モウターバイクが無理をして通り抜けていくことも多く、車体の擦り傷が増えていった。

マレイシア滞在中、幸いなことに大きな事故を起こすことはなく、走行距離は約44,400kmに達した。

なお、マレイシアは完全に自動車優先社会なので、歩行者となる場合は注意が必要だ。ガス・ステイションや駐車場との間を出入りするために歩道を横切る自動車が不意に大きなクラクションを鳴らしながら通り過ぎようとしたとしても、驚かないようにしないといけないようだ。自動車の運転手と口論になったことがあり、これは自戒でもある。

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■日本を含む海外のニューズは、テレヴィジョンなどによって仕入れていた。

衛星放送アストロでは、海外向けサーヴィスであるNHKワールドを放送していた。日本向け地上波放送と衛星放送の番組を放送するほか、治安情報など海外向けオリジナル番組の制作も行っていた。

新聞は、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の衛星版を半日遅れで配達してもらうことができ、購読料金は二百数十リンギットであったようだが、購読は見送った。ほかに、日馬プレスや南国新聞などの情報紙の情報に頼った。

マレイシア滞在中にイラク戦争が起こった。生物兵器や化学兵器などの大量破壊兵器を保有しているという疑惑に対して、サッダーム・フセイン大統領が国際連合による無条件査察を受け入れなかったことが米国軍などによる開戦の理由だとされている。イスラーム教徒の多いマレイシアでは、イラクに対する爆撃のニューズに対して悲しげに接している人が多かったように思う。結果的に数十万人の死者を出すことになるジョージ・W・ブッシュ米国大統領の判断が正しかったのかどうか検証される日を待ちたい。また、日本の首脳は、日米同盟関係の重要性に言及しつつ開戦を支持する理由を説明しているが、これは、部分的に見ると、どのような事案であれ日本がアメリカ合衆国の判断に追従すると受け取られかねない発言であり、是非が問われることになるかもしれない。

開戦後は、テロリズムの標的になる可能性がある米国系のファストフード店は危ないという注意を受けていたが、ハラールの店にはイスラーム教徒のマレイ人が特に躊躇することもなく入店しているように思われ、心配する必要はなさそうであった。

アメリカ合衆国滞在時に既に起こっていたチェチェン紛争は第2段階に入っていたが、ロシアの北オセティア共和国では、チェチェン共和国独立派を中心とする武装勢力が学校を占拠する事件が起こった。その後の銃撃戦で、約400人の死者を出すことになった。

2001年に米国同時多発テロリズムが発生して以来、米露などの大国はテロリズムとの戦争を重要な政治テーマとして掲げているが、本当に世界に平和をもたらすために必要な政策は何なのかについて掘り下げた議論がなされていないことに対してある種の失望を感じている。

SARS(重症急性呼吸器症候群、新型肺炎)は隣国のシンガポールで猛威を振るっており、一時、空港などでマスクを着用する人が多くなった。また、続いて鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)の発生があり、それ以降はマーケットで生きた鶏を見かけないようになった。

新潟県中越地震が発生したのはネパールでのトレッキング中であり、事情が分からず心配した。

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■マレイシアの治安は、比較的よいとされる。アパートメントからアロー通りに向かって延びる小道には夜になると人の気配がなくなる区間もあったが、通行に際して特に不安を感じることはなかった。とは言え、犯罪がないわけではない。

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マスジッド・ジャメ駅

同じアパートメントの日本人男性は、マスジッド・ジャメ駅のエスカレイターで、掏摸に前後から挟まれるという経験をしたという。前方の男性がエスカレイターを降りた場所で立ち止まって進路を塞ぎ、こちらが慌てている間に後方の男性が鞄を持ち去るという方法であったようだ。幸いなことに被害はなかった。

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フード・コート

ロッ・テンにあるフード・コート(食堂)で食事をしていると、男性が話しかけてきて、そのうちに家に招待したいと言われることがあった。信用して同行したとすると、悪名高い賭博詐欺に遭うことになるのではないかと思う。

チョウ・キットでも、偽警察官と思われる男性に声をかけられることがあった。

また、対向車線のない交差点での右折禁止のように、必要がないと思われる交通規制が敷かれている場所があったが、そのような場所に限って交通違反を犯すと警察官に呼び止められ、見逃す代わりに賄賂を要求されるという話を聞いた。ただし、ディスカウントしてもらうことができるらしい。

以上のようなこともあったが、多くの犯罪は気を付けていると未然に被害を防ぐことができるのではないかと思う。

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紀伊国屋書店

■一般に、地元の人を対象とした商品は安価だが、書籍を始めとして日本人用の商品は日本よりも高い。好奇心もあり、地元の人を対象とした商品を買ったり料理を食べたりすることも多かったが、滞在期間が長くなるとどうしても日本のものが恋しくなるのはやむを得ないところであった。

現地での1日平均の滞在費用(土産費を除く)は約10,000円であった。滞在費用のうちアパートメントのレンタル料金を除く一人当たり宿泊料金の最高は入国時のクアラルンプールの約8,400円(276リンギット)で、最低は出国時のカトマンドゥの約540円(337ネパール・ルピー)であった。

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■マレイシアでは、イスラーム教が国教となっている。信仰の自由は認められているとされており、華人(中国系国民)は仏教、儒教、道教、キリスト教を、インド系国民はヒンドゥー教、キリスト教、イスラーム教を信仰する人が多いという。しかし、イスラーム教徒であるマレイ人が棄教することは認められないらしい。

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中国暦元旦

各宗教の融和の必要性はよく理解されており、祝日は各宗教などに因んで満遍なく選ばれている。たとえば四大祝日は中国暦元旦、ディーパバリ(ヒンドゥー教灯明祭)、ハリ・ラヤ・プアサ(断食明け大祭)、クリスマス(イエス・キリスト誕生日)とされている。ほかにハリ・ラヤ・ハジ(聖地巡礼記念日)や仏陀誕生日のウェサク・デイなどの祝日がある。その代わり、季節的な偏りが生じている。

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マスジッド・アスィーシャキリン

マレイ半島は、タイとほぼ同経度にありながら標準時はタイよりも1時間早い。経済活動上の都合からシンガポートとともに香港の標準時に合わせていると言われている。したがって、7時頃になってもまだ暗い。1年中サマー・タイムを実施しているようなものだ。それなのに、5時台には1日5回マッカ(メッカ)に向かって行う礼拝の最初の呼び掛け(アザーン)が聞こえてきて安眠を妨げられる。マスジッド・ジャメあるいはKLCC辺りから拡声器で流されてきているのであろうか。また、2回目と3回目の礼拝は日中に行われるため、仕事をしている人は職場で同僚とともに礼拝することになる。さらに、イラク戦争によってサッダーム・フセイン大統領の圧制から解放されたと考えた小売店を営むイラク人がビールを売ったところ、イスラーム教の教義に反するとして殺されるという事件があった。それは極端な例だが、ほかにも、外国などで羽目を外してアルコール飲料を嗜むイスラーム教徒がいたとしても、ほかのイスラーム教徒、特に自国人と同席の場合は躊躇するという話を聞くことがある。マレイシアでも、多かれ少なかれイスラーム教徒の信仰が相互に影響を及ぼし合っていると感じることは多かった。

イスラーム教の戒律は厳しく、生活に深く関わっている。1日5回の礼拝、金曜日の集団礼拝、ラマダーンと、唯一神アッラーフ(アッラー)に思いを致さなければならない儀礼は多い。これらの儀礼は仕事よりも優先される。イスラーム教国で宴会が行われる場合は、4回目の礼拝が終わるまで開始を待たされることになる。また、金曜日の午後はほとんど仕事にならない。さらに、ラマダーン中は空腹を我慢しているため生産性が低く、重要な行事は行われない。ただ、イスラーム教徒にとってラマダーンは辛く厳しいものではないようであった。日の入り後の食事は大きな楽しみであるらしく、嬉しそうに買い物をしている様が印象的であった。そして、イスラーム教徒の名前はアラビア式に付けられるし、19世紀にローマ字が導入されるまではアラビア文字が用いられていたという。

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ジョホールバル駅

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ジョホールバル駅前

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イミグレイション

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シンガポール国境

イスラーム教徒はノン・ハラール(ハラーム)のレストランで食事をすることはできないが、ハラールを標榜していても、たとえば中国料理店には行きたくないというイスラーム教徒は多いと思う。本当に豚由来の成分を使っていないのか、またポーク料理を盛ったことのある皿を使っていないのか、信用することができないためだ。日本のスナック菓子を見せられ、豚由来の成分が入っていないか教えてほしいと依頼されたこともある。豚以外の鳥獣の肉についても、イスラーム法の作法に則って祈祷しながら食肉処理を行っている必要があるが、これはイスラーム教徒でなければなし得ないことだ。日中に2回礼拝しなければならないことと併せて考えると、イスラーム教徒が異教徒の中で生活することは困難を極めることのようだ。実際、受入先には、ジョホールバルにある大学に通っていたのに、目と鼻の先にあるシンガポールを訪ねたことがないという職員がいた。このように、イスラーム教徒が生活するに際して同胞の存在を必要とするということは、イスラーム教が現在でも布教に熱心なことと関係があるのではないだろうかと密かに考えているところだ。

イスラーム法では男性は4人まで女性を妻とすることができ、女性は人前で髪や肌を見せてはならないとされる。マレイシアの場合、実際に複数の女性を妻とする男性は少ないようだ。また、女性はトゥドゥンと呼ばれるスカーフのような布(ヴェイル、ヒジャブ)で髪を覆っている。礼拝に際しても、男女の役割は異なっているように思われた。それらを指して、イスラーム教国では女性が差別され、抑圧されているとする批判がある。それに対して、イスラーム法が成立した時、相次ぐ戦争のため夫君に先立たれて経済的に困窮する女性が多かったことを説明し、また、女性に髪や肌を隠させるのは女性の保護を目的としているとして、イスラーム法の根拠付けがなされることがある。考えるに、イスラーム法は、成立の時点では当時の課題に対応した実用的なものであったのではないかと思う。イスラーム法では豚が不浄だとしてタブーとされているが、それもレアで食べるなどして重篤な病気に罹ることを防ぐための規制である可能性がある。非イスラーム世界から見てイスラーム法が現代の感覚に合わなくなっている面があるように感じられるのは、信者の生活の細部にまでコミットしているイスラーム法が、成立の時点から今日まで見直しを受けることなく伝えられてきたという事情が影響しているのかもしれない。一方で、若い男性が恋人を背負って階段を昇る光景を見かけるなど、イスラーム教国ならではの女性に対する配慮もあり、重大な問題ではあるが、異教徒が口出しすることの難しさに思いが至ってしまう。

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■マレイシアは多民族国家であり、国内で話される言語も多い。主な言語はマレイ語、中国語、チェンナイを州都とするインドのタミル・ナードゥ州で話されるタミル語、英語だ。中国語には広東語、福建語、北京語が含まれ、開発の歴史のため、シンガポールを含め沿岸の町では福建語が、クアラルンプールなど内陸寄りの町では広東語が主に話されるという。ただし、漢字の理解は怪しくなってきているようだ。

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ホテル群

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ブキッ・ビンタン通り

順調な経済成長が続いており、クアラルンプールに短期間滞在しただけの人は、ペトロナス・トゥイン・タワー、ひしめき合う高層ビルディング、煌びやかな夜景を見て、マレイシアが遠からず先進国入りするのではないかという印象を抱いて帰国するのではないかと思う。しかし、しばらく滞在していると、悲観的にならざるを得ない問題点も見えてくる。それは、多数派であるマレイ人の資質だ。南方特有の温和な性格のためか、努力によってよりよい生活を送ろうという気概や向上心に欠けており、問題の本質を考えないで作業を行っているように見受けられるのだ。

まず、技術スタッフなど高度な技術や技能を要求されるような職業は、ほとんど華人によって占められているように思われる。

また、マレイシアでは、たとえばホテルなどの建物の外観は一流だが、内装は二流で、サーヴィスは三流だと言われることがある。サーヴィスの問題を取り上げてみたい。

コタキナバルでホテルに泊まった時、部屋は電話が不通になっていた。電話をかける必要があり不便であったため、ロビーに2回も降りて受付で修理を申し入れたが、技術スタッフに連絡するだけで、誰も部屋に来ないと言っても何の対応も取ってくれなかった。そこで、アシスタント・マネジャーを呼ぶことによって、ようやく謝罪してもらった後、別の部屋に移動することができたが、最初の申し入れから1時間が経っていた。

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クラブ・ハウス

現地資本のゴルフ場では、次のような経験をした。8時45分イン・スタートの最終組であったが、スタートが20分程度遅れていた。そのうちに7時アウト・スタートの第1組がハーフを終えてインに回ってきた。その時、アウト・スタートの組が優先だとスタッフに言われたのだ。そこで、強く抗議してようやく先にスタートすることができた。後にゴルフ場の規程を目にすることがあったが、9時以降は、これからプレイを始めようとする組よりも、ハーフを終えた組を優先することとされていた。しかし、それは9時以降については元々予約を受け付けないことになっているためであり、飛び込みでプレイを始めようとする組よりもハーフを終えた組を優先するという意味であろう。そうでなければ、8時45分イン・スタートの組は何の非もないにも関わらず、その後7分ごとにアウトから回ってくる組にことごとく追い抜かれて、いつまで経ってもスタートすることができないということになってしまう。スタッフはそのようなことも理解することができないのかと嘆かわしくなった。

ゴルフ場と言うと、現地資本の場合、前後してチェックインしたゴルファーは隣り合ったロッカーの鍵を受け取ることが多かった。その後、互いに気を遣いながら着替えをしなければならないということに考えが及ばないのかとよく不満を感じていた。

現地資本のスーパーマーケットでは、キャッシュ・レジスターで75センの釣銭をすべて5セン硬貨で渡されるということがあった。閉店間際であったため、既に数量を確認した50セン硬貨や10セン硬貨に手を付けたくなかったのであろう。このスーパーマーケットでは、後日、やはり閉店間際に唯一開いていたキャッシュ・レジスターが故障し、すぐには復旧しそうにないという状況になることがあった。当然、ほかのキャッシュ・レジスターを開くべきところだが、既にキャッシュの数量の確認が終わっていたためか、ほかのキャッシュ・レジスターを開くことに反対する店員がいた。そして、しばらく店員同士で押し問答になっていた。顧客軽視も甚だしく、信じられない光景であった。また、商品を乱雑に扱うことも不快であった。このスーパーマーケットは、マレイシア滞在中、経営主体の交替を挟んで閉店時刻を早くしたり遅くしたりと3回も変更した後、店舗閉鎖したが、その間、十分な市場調査を行っているとはとても思われなかった。

ヒマラヤ・トレッキングで担ぐバックパックを買うために専門店を訪ねた時のことだ。店員に容量を尋ねると腕組みをしたまま確かめもせず分からないと答え、当日は買うつもりはないと言うと不機嫌そうな表情を見せた。また、2種類のバックパックの価格の異なる理由を尋ねると間違ったことを答え、それを指摘すると素材の違いだと答え直す。そして、最後にどのように違うのかと尋ねると理性的な対応をすることができなくなって怒り出すということがあった。

現地資本の銀行では、地元の人にとっては多額の送金を依頼した時、驚いて送金額を大声で口にしたり、慌ててパスポートを別の人に渡そうとしたりと、無茶苦茶な事務処理が行われることがあった。同行では、後日、口座残高に疑問があり出入金の明細を照会した時、前月分までの明細のみを示した後に当月分については分からない旨を伝え、手数料はしっかりと徴収するということもあった。

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道路上の電柱支持ワイアー

アパートメント近くの交差点に左折専用レインができるということがあった。それまでは対向車との離合が難しかったため、専用レインができること自体はありがたかった。しかし、専用レイン建設予定地には電柱支持ワイアーがあった。どのように対処するのかと工事を見守っていると、何とワイアーを残したまま専用レインが建設されてしまった。事情を知らない左折車は、突然視界に現われるワイアーにたじろぐであろう。運転手が気付きやすいよう布を巻き付けてはいたが、接触事故は後を絶たなかったのではないかと思う。事故の発生原因を元から絶つという発想はないようであった。

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■マレイ人は、現時点では資質において華人などと比べて劣っている面があるとみなされている。そして、所得面でも劣位に立っている。そこで、マレイ人などを経済的に支援することにより民族間の所得格差を解消するという目的で導入されたのがブミプトラ政策だ。「ブミプトラ」とは「土地の子」を意味し、一種の先住民族として扱われている。ブミプトラには、マレイ人のほか、ボルネオ島に住んでいるプトロ・マレイ系も含められる。

政策は、大別すると、大学などの定員の一定割合をブミプトラに割り当て、機会の平等を図ろうとするものと、官庁などの定員の一定割合をブミプトラに割り当て、結果の平等を図ろうとするものから成っている。政策は貧困層の減少に寄与し、それらの層が政治的に極端な運動に走る可能性を低くすることによって、社会の安定に貢献してきたと言うことはできる。テロリスト組織ジェマ・イスラミアが結成されたのはマレイシアだとされるが、活動はむしろインドネシアで活発に行っているようだ。

しかし、政策は明らかに過重であり、しかも長期間にわたって続いていることによる弊害も目立ってきている。華人やインド系国民が持つ不公平感は日増しに高まっている。そもそも1965年にシンガポールがマレイシアから独立したのもこのようなマレイ至上主義に対する不満からだ。一方、ブミプトラからは既得権益とみなされており、ブミプトラが現状に安住し、向上心を失うという結果になっている。

機会の平等を志向するのであれば結果の平等を志向するべきではないし、そもそも結果の平等を志向するということは効率性を犠牲にすることと同義だと言ってもよい。また、所得格差の縮小を図るのであれば、民族に着目せず低所得層一般に対する優遇措置を採るのが本来のあり方だ。多数派民族による少数派民族の抑圧とみなされる素地は十分にあるわけだ。しかも、プトロ・マレイ系は別にして、マレイ人の定義にはイスラーム教徒であることが含まれているため、宗教的な思惑も感じられる。

政府も、このような問題は認識している。マハティール・ビン・モハマド首相は、退任に際し、マレイ人が既得権益に安住して向上心を示さないことを涙を流して嘆いたという。

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■最後に、マレイシアの行く末について考えてみよう。

マレイシアは、1980年代に外国資本の直接投資が増え、電気機械産業が主要な産業となっている。1997年からの経済危機に際しては、当時のマハティール首相の下、IMF(国際通貨基金)が主張する金融引き締め政策を排し、固定相場制の採用などにより、国内経済を国際金融による動揺からできる限り遮断することに成功したと言うことができる。

マレイシア経済の成功の背景としては、何と言っても、インフラストラクチャーの整備など適切な政策により外国資本の誘致に成功したことが挙げられる。プトラジャヤ、サイバージャヤ、新クアラルンプール空港の建設など、大規模プロジェクトも実施された。今後も、産業において農業の占めるウエイトが低下し、製造業の占めるウエイトが上昇することが見込まれる。

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標語

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官庁街入口

中長期的な経済目標としては、2020年までに先進国入りすることを謳ったヴィジョン2020(マレイ語ではワワサン2020)を策定している。年率数パーセントの高い経済成長率が維持されることを前提にしたものだ。市街には、「WAWASAN2020」、「MALAYSIA BOLEH(マレイシアはできる)」、「KERANAMU MALAYSIA (マレイシアよ、あなたのおかげで)」など士気を鼓舞する標語が様々な場所に掲げられていた。

雇用情勢は安定している。これには、雇用情勢が悪化すると外国人に対する出入国管理を厳格化するなど外国人労働者を国内労働力需給の変動に対する緩衝として利用していることも影響している。今後については、マレイシア人の技術者や熟練労働者の育成と機械化による低熟練労働の代替によって外国人労働者の半減を見込んでいるようだが、実現可能性は不明だ。

マハティール首相が提唱した東方政策(ルック・イースト政策)は、日本でもよく知られている。マレイシアは連合王国の植民地であっただけにその影響が大きいが、経済発展のためには西洋文化に学ぶだけでは十分ではなく、日本などにも範を求めるべきだというものだ。これを受けて、多くのマレイシア人が日本で研修を受けるなど、様々な交流が行われてきた。「東方」の範疇には韓国、台湾、中国も含まれており、日本経済の長期停滞を受けて、その視線が少し移ってきていることは意識しておく必要がある。

いずれにしても、政策の影響もあってマレイシアに親日家が多いのは結構なことだ。もっとも、マレイシアではマレイ人と華人の間に相克があって、反日感情を抱いている余裕がないのかもしれない。

このように、経済パフォーマンスは良好であり、しばらくは順調な経済成長が続くと考えられるが、中期的な経済発展ということになると課題は山積している。

第1は、ブミプトラ政策その他の民族問題だ。マレイシアの人口増加率は比較的高い。それは、マレイシアに住む民族のうち、マレイ人の出生率が高いためだ。一般に経済発展が進むにつれて出生率が低下するが、マレイ人にはこの法則は当てはまらないようだ。イスラーム教徒だからかもしれない。マレイシアには人口を3倍にするという人口7,000万人計画というものもあり、その実現可能性はともかく、多くの先進国に見られる人口の高齢化現象とは無関係だ。

その代わり、今後、人口構成比はマレイ人のウェイトが高まる方向に変化していくものと見込まれる。すると、現在は華人などに頼っている技術者や高度熟練労働者の確保が難しくなってくると考えられるのだ。マレイシア成立時、マラヤ連邦にシンガポールのみを統合すると華人が多数派となりかねないため、プトロ・マレイ系をマレイ人と同じ範疇に含めた上でサバ、サラワクを同時に統合することとしたという。それから40年を経て、華人の構成比は4分の1にまで低下した。マレイ人との出生率の差異のほか、ブミプトラ政策を嫌って周辺国に移住する人がいることも影響しているのであろう。今後さらに低下すると、人材面の脆弱性が経済発展の制約となる可能性がある。マレイ人が華人などに取って代わって経済発展の推進力となり、たとえばインドネシアとの経済面での差異化を維持するためには、どのような人材戦略が必要なのか、そのためにはブミプトラ政策をどのように昇華させるべきなのかなど、課題は尽きない。

第2は、先進国入りのための経済戦略の問題だ。マレイシアは、外国資本の直接投資などにより生産基地としての能力は高まったが、その延長で先進国入りが可能になるとは思われない。生産基地としてほかの発展途上国との差異化が行われているわけではないためだ。今後、中国やほかの東南アジア諸国で生産基地としてのインフラストラクチャーが整備されてくると、それらマレイシアよりも賃金コストの低い国との価格競争が熾烈を極めるようになると予想される。中国脅威論は日本でも唱えられることがあるが、まともに価格面での競争に立ち向かわなければならないマレイシアにとっての中国の脅威は、得意分野の棲み分けが比較的容易ではないかと考えられる日本とは比較にならないほど深刻だと思われる。現に、一旦マレイシアに進出した外国資本が中国などに転出すると言う動きが起こり始めている。

この課題を克服して先進国入りするためには、産業政策の観点からは知識集約型経済の育成が、人材育成政策の観点からは高度熟練労働者の育成や問題発見・解決能力の強化が必要になってくる。顧客志向という要素も重要であろう。政府も人材面の脆弱性は認識している。そのため、先進国からの支援を得て、その育成に努めようとしている。東方政策で期待されているのも、日本などの東アジア諸国から高い勤労意欲や現場に即した創意工夫の知恵を学ぶということだと思う。しかし、マレイ人の行動振りを見ていると、その目的は十分に果たされてこなかったと言わざるを得ず、先進国入りのためのハードルは非常に高いもののように思われる。

ASEANは、長期的に経済統合を進めていこうという戦略を持っている。将来的にはEUのような姿を視野に入れているものと思われる。その中で注目されているのがAFTA(ASEAN自由貿易地域)だ。域内関税を非常に低い水準に抑え、貿易を活性化させようというものだ。実現すると東南アジアに一大市場が出現するわけであり、外国企業にも生産、貿易、直接投資などの戦略の練り直しを迫る一大改革となっている。ASEANの中で域内先進国のマレイシアは、AFTAの合意に従って、既に関税を大幅に引き下げる時期にある。しかし、国産車保護の観点から、外国車の関税を引き下げる代わりに代替的な間接税を課すこととし、その結果、かえって外国車の価格が高くなるということがあった。

純経済学的に言うと、地域経済が一体化していく中で、比較優位があるとは思われない国産車に拘らず、経済資源の投下先について青写真を描く必要があるということになる。今後関税などの間接税に期待することが難しくなってくるとすると、国産車がたとえばタイで生産される外国車との競争に打ち勝つことは至難の業だと思われる。ただ、経済発展に際して自国資本の育成やフルセット型産業構造の形成に拘ったのは、ほかならぬ日本だ。マハティール首相も同様の経済発展を目指したいと考えたのであろう。純経済学的には異端であっても、心意気は買うべきなのかもしれない。

ただし、労働志向については、先進国入りまでの道程が遠い現段階で、既に3K(きつい、汚い、危険)職種を敬遠する傾向が生じている。英語では3D(demanding 、dirty 、dangerous)職種という。技能労働者よりも事務労働者、技術者よりも管理者を志向する傾向があるのだ。労働力需給は全体としてはほぼ均衡しているが、求人超過の職業と求職超過の職業が明確に分かれており、現場軽視の風潮は職場に歪みをもたらすものと思われる。

第3は、政治面の問題だ。アブドゥラ・アフマド・バダウィ新首相は、強力な指導者の後を受けた登場だけに、その政策が注目されている。当面は、汚職追放など、清廉と言われる人柄を活かして指導力を発揮しているが、今後も指導力を発揮し続けることができるかどうかは不透明だ。

マレイ人との間に問題が起こった時、理に適った対応を期待することはできないとして、上司を呼ぶなど話がこじれないよう立ち回るためのアドヴァイスを見かけることがあるが、同様の問題が国家レヴェルで起こることもある。クアラルンプールでモノレイルを建設していた時、試運転中の車両から車輪が脱落し、通行人が重傷を負うという事故が起こった。それに対して工事責任者側は通行人の上方不注意につき自分達には責任がないと主張したという。前方不注意であればともかく、上方不注意ということなど聞いたことがない。また、マレイシアはシンガポール島内のマレイ鉄道敷地の領有権を主張しているという。歴史的経緯はあるのであろうが、常識的には、他国の領土に深く入り込んだ土地について、所有権であればともかく、領有権を主張することなど考えられないところであろう。どのような見当をしているのかと甚だ疑問に思う。なお、全般的にシンガポールとの関係は複雑で、ほかにマレイシアが供給している水の価格の問題もある。さらに、1969年には、多くの華人が犠牲となる民族衝突が起こったが、その後に打ち出された政策はマレイ人を優遇するブミプトラ政策であった。事件の加害者側を利する政策を採ることの非は、改めて強調するまでもないであろう。

写真
建設工事現場

建設工事の中には、全く計画通りに進まないものも多かった。資金調達の目処が立っていないにも関わらず工事を始め、資金が尽きてしまうと工事を中断せざるを得なくなるのだという。工事が中断している建設工事現場は立ち枯れと呼ぶのだそうだ。そのような状態で工事を始めてしまうこと自体、理解の域を超えたことであった。クアラルンプールやプトラジャヤのモノレイルも、予定通りの開通からはかけ離れたものであった。

独立以来、一貫して連立与党となっているのは国民戦線(BN)であり、それを構成しているのが統一マレイ国民組織(UMNO)、マレイシア華人協会(MCA)、マレイシア・インド人会議(MIC)などの民族政党だ。統一マレイ国民組織はブミプトラ政策を熱心に推進しようとし、ほかの与党はそれには不満ながら、それぞれの民族がそれ以上の不利を被ることのないよう連立与党に加わっているというのが実情であろう。対する野党には、イスラーム教保守勢力の全マレイシア・イスラーム党や、シンガポールで開発独裁体制を続ける人民行動党(PAP)に近く華人を中心に社会民主主義を標榜する民主行動党(DAP)などがある。マレイ人至上主義の強化を狙う全マレイシア・イスラーム党と、マレイ人至上主義に反対する民主行動党は、連立与党を挟んで両端の位置にあると言ってよい。このように、政党が民族や宗教に基づいて結成されていることや、野党勢力の連携は不可能だと考えられることから、このままではマレイシアで政権が交代することは今後とも長らくないであろう。民族間の相克が政権の固定化に繋がっていると言うこともできるわけで、経済発展とともに変革を迫られることになるのではないだろうか。

マレイシアがこれらの難題を克服して自立発展の段階に達し、先進国入りへの道筋を付けることができるかどうか、結論が見えてくるのはまだ先のことだ。マレイシアは、トルコとともに、
  • 既に自立発展の段階に達していると考えられるNIESに次いで経済発展が進んでいる、
  • ヨーロッパ系と東アジア系の民族の国(シンガポールを含む)に次いで経済発展が進んでいる、
  • 主要産油国を除くと、イスラーム教国の中で所得が特に高い
という特徴を持っており、マレイシアが自立発展の段階に達するかどうかは、先進国を中心とした現在の経済発展が全世界的に広がっていくのか、一部の国・地域だけに留まるのかの試金石になっているとさえ言ってよいと考えている。日本の支援もまだ必要であろう。

回顧

支払

持参

運転

報道

治安

物価
回教

民族

優遇

展望

抜粋

概要

前訪問地発 当訪問地着 訪問地
2002年12月
出発 日本 東京
18日11:55 空路 18:25 マレイシア クアラルンプール
2003年1月
27日16:55 空路 17:35 マレイシア ジョージタウン
28日18:35 空路 19:25 クアラルンプール
2003年2月
17日07:20 空路 10:00 マレイシア コタキナバル
18日07:15 空路 07:45 バンダルラブアン
17:45 空路 18:15 ミリ
18:55 空路 19:50 クチン
20日13:40 空路 15:10 クアラルンプール
2003年3月
10日07:30 道路 11:00 マレイシア バトゥパハ
11日09:00 道路 11:00 パシルグダン
12日08:30 道路 09:30 ジョホールバル
10:00 道路 14:00 クアラルンプール
2003年4月
2日10:30 道路 15:00 マレイシア バタワース
3日14:00 道路 18:00 クアラルンプール
2003年4月
7日11:20 空路 11:50 マレイシア クアンタン
8日10:25 空路 10:55 クアラルンプール
2003年5月
7日09:50 空路 12:40 インドネシア デンパサール
16:30 空路 17:00 マタラム
10日10:55 空路 11:25 デンパサール
13:50 空路 16:20 マレイシア クアラルンプール
2003年10月
18日06:10 道路 10:50 マレイシア ブキッカユヒタム
11:05 道路 10:15 タイ サダオ
10:30 道路 11:45 ハットヤイ
19日07:30 道路 09:30 サダオ
09:50 道路 11:00 マレイシア ブキッカユヒタム
16:30 道路 22:30 クアラルンプール
2003年11月
15日21:55 空路 23:00 シンガポール シンガポール
16日01:30 空路 08:40 日本 大阪
28日12:00 空路 17:30 シンガポール シンガポール
20:20 空路 21:05 マレイシア クアラルンプール
2003年12月
5日08:25 空路 09:25 タイ バンコク
11:30 空路 15:30 フィリピン メトロ・マニラ
16:30 空路 20:45 日本 大阪
11日01:25 空路 06:10 タイ プーケット
07:25 空路 08:40 バンコク
19:30 空路 22:25 マレイシア クアラルンプール
2003年12月
22日09:20 道路 12:40 マレイシア ブキッミニャク
17:20 道路 20:30 クアラルンプール
2004年1〜2月
14日23:05 空路 15日06:10 日本 東京
17日19:30 空路 20:45 大阪
27日13:25 空路 19:25 シンガポール シンガポール
20:25 空路 21:05 マレイシア クアラルンプール
2004年3月
22日10:30 道路 12:00 マレイシア ムラカ
14:30 道路 15:30 ポートディクソン
15:40 道路 17:00 クアラルンプール
2004年5月
1日23:30 空路 2日07:20 日本 東京
4日13:30 空路 19:25 マレイシア クアラルンプール
2004年7月
3日08:10 空路 09:05 マレイシア コタバル
10:40 道路 11:50 ランタウパンジャン
12:10 徒歩 11:20 タイ スンガイコーロク
12:50 徒歩 14:00 マレイシア ランタウパンジャン
14:20 道路 15:30 コタバル
4日08:40 道路 11:50 クアラトレンガヌ
21:45 空路 22:40 クアラルンプール
2004年7月
31日14:00 道路 15:00 マレイシア スレンバン
17:15 道路 18:15 クアラルンプール
2004年8月
4日05:40 道路 10:25 マレイシア アロースター
10:40 道路 11:40 カンガー
11:55 道路 12:30 パダンブサール
12:35 道路 11:40 タイ パーダンベーサー
11:45 道路 12:50 ハットヤイ
13:10 道路 14:10 サダオ
14:15 道路 15:20 マレイシア ブキッカユヒタム
15:30 道路 18:15 ジョージタウン
5日14:00 道路 15:15 イポー
15:45 道路 18:40 クアラルンプール
2004年8月
6日23:05 鉄路 7日06:00 マレイシア ジョホールバル
08:05 徒歩 08:35 シンガポール シンガポール
8日11:10 水路 11:20 インドネシア バタム
14:25 水路 17:00 シンガポール シンガポール
22:20 鉄路 9日06:00 マレイシア クアラルンプール
2004年9〜10月
30日08:45 空路 10:30 マレイシア クチン
1日20:35 空路 22:15 クアラルンプール
2004年10〜11月
20日08:30 空路 09:40 タイ バンコク
10:35 空路 12:25 ネパール カトマンドゥ
21日10:00 空路 10:35 ルクラ
11:00 徒歩 17:00 ジョルサレ
22日08:00 徒歩 10:30 ナムチェ
12:00 徒歩 13:45 シャンボチェ
15:00 徒歩 16:00 ナムチェ
23日08:50 徒歩 11:55 クムジュン
14:00 徒歩 16:05 ナムチェ
24日07:40 徒歩 11:05 モンラ
25日07:55 徒歩 11:20 ドーレ
26日09:35 徒歩 12:25 マッチェルモ
27日08:00 徒歩 11:50 ゴーキョ
28日08:10 徒歩 11:30 ゴジュンバ・ツォ
11:55 徒歩 14:25 ゴーキョ
30日07:00 徒歩 09:00 ゴーキョ・ピーク
09:30 徒歩 10:30 ゴーキョ
11:15 徒歩 13:45 ドラクナク
31日06:40 徒歩 13:05 ゾンラ
1日07:50 徒歩 13:55 ゴラクシェプ
2日05:00 徒歩 06:55 カラパタール
08:25 徒歩 09:50 ゴラクシェプ
14:00 徒歩 15:50 カラパタール
17:25 徒歩 18:05 ゴラクシェプ
3日08:15 徒歩 11:20 エヴェレストBC
11:45 徒歩 14:50 ゴラクシェプ
4日08:00 徒歩 15:00 パンボチェ
5日07:30 徒歩 12:35 ナムチェ
6日08:20 徒歩 14:20 ルクラ
7日07:20 空路 07:55 カトマンドゥ
8日14:20 空路 18:35 タイ バンコク
19:30 空路 22:20 マレイシア クアラルンプール
2004年12月
16日23:05 空路 17日06:45 日本 東京
徒歩 :徒歩、 道路 :道路、 鉄路 :鉄路、 水路 :水路、 空路 :空路)

訪問地 宿泊先 単価
2002年12月
日本 東京 KKRニュー目黒 1
マレイシア クアラルンプール ホテル・ニッコー MY.R 276.00 9
M. Suite 31
2003年1月
マレイシア ジョージタウン The Northam MY.R 190.00 1
クアラルンプール M. Suite 20
2003年2月
マレイシア コタキナバル Promenade Hotel MY.R 166.75 1
クチン Merdeka Palace Hotel & Suites MY.R 115.00 2
クアラルンプール M. Suite 18
2003年3月
マレイシア バトゥパハ The Katerina Hotel MY.R 120.00 1
パシルグダン Tanjong Puteri Golf Resort MY.R 149.00 1
クアラルンプール M. Suite 21
2003年4月
マレイシア バタワース Pearl View Hotel MY.R 145.00 1
クアラルンプール M. Suite 4
2003年4月
マレイシア クアンタン Vistana Hotel MY.R 95.00 1
クアラルンプール M. Suite 29
2003年5月
インドネシア マタラム Hotel Sahid Legi ID.R 450K 3
マレイシア クアラルンプール M. Suite 161
2003年10月
タイ ハットヤイ King's Hotel TH.B 490 1
マレイシア クアラルンプール M. Suite 27
2003年11月
日本 大阪 実家等 12
マレイシア クアラルンプール M. Suite 7
2003年12月
日本 大阪 実家 5
マレイシア クアラルンプール M. Suite 11
2003年12月
マレイシア クアラルンプール M. Suite 23
2004年1〜2月
日本 東京 KKRニュー目黒 2
大阪 実家等 41
マレイシア クアラルンプール M. Suite 24
2004年3月
マレイシア クアラルンプール M. Suite 40
2004年5月
日本 東京 KKRニュー目黒 2
マレイシア クアラルンプール M. Suite 60
2004年7月
マレイシア コタバル Hotel Kota Bharu MY.R 92.40 1
クアラルンプール M. Suite 27
2004年7月
マレイシア クアラルンプール M. Suite 4
2004年8月
マレイシア ジョージタウン The Northam MY.R 190.00 1
クアラルンプール M. Suite 1
2004年8月
シンガポール シンガポール Hotel 81 Bencoolen SG.$ 79 1
マレイシア クアラルンプール M. Suite 52
2004年9〜10月
マレイシア クチン Merdeka Palace Hotel & Suites MY.R 165.00 1
クアラルンプール M. Suite 19
2004年10〜11月
ネパール カトマンドゥ Tibet Guest House US.$ 12 1
ジョルサレ Buddha Lodge NP.R 490.00 1
ナムチェ Khumbu Lodge NP.R 565.00 2
モンラ Snow Land View Lodge NP.R 870.00 1
ドーレ Himalayan Lodge NP.R 820.00 1
マッチェルモ Namgyal Lodge NP.R 1,120.00 1
ゴーキョ Gokyo Resort NP.R 1,110.00 3
ドラクナク Chola View Lodge NP.R 670.00 1
ゾンラ Green Valley Lodge NP.R 1,000.00 1
ゴラクシェプ Himalayan Lodge NP.R 1,013.33 3
パンボチェ Ama Dablam Lodge NP.R 660.00 1
ナムチェ Khumbu Lodge NP.R 920.00 1
ルクラ Khumbu Resort NP.R 550.00 1
カトマンドゥ Hotel Lucky Star NP.R 337.00 1
マレイシア クアラルンプール M. Suite 38
2004年12月
日本 東京 東京ビジネスホテル 6

国名 通貨 為替 生活 食料 交通 教養 娯楽
マレイシア 02年12月 MY.R 30.3円 300.94 218.40 87.91 0.00 55.10
03年1月 927.75 648.40 532.16 60.00 754.95
2月 394.89 736.27 1,905.88 0.00 2,512.94
3月 88.89 723.65 3,969.46 0.00 2,008.58
4月 67.60 736.42 509.05 14.05 296.65
5月 392.25 823.89 546.10 0.00 495.25
6月 76.00 1,096.12 392.62 138.90 995.75
7月 131.39 863.89 238.80 0.00 620.40
8月 99.09 712.55 2,113.50 8.00 693.50
9月 164.71 879.50 730.80 0.00 949.15
10月 103.19 1,120.99 538.75 93.50 958.90
11月 270.89 915.03 2,567.43 0.00 1,012.22
12月 229.89 1,002.78 2,025.05 0.00 79.60
04年1月 236.00 659.97 199.80 0.00 196.70
2月 0.00 127.10 240.00 0.00 0.00
3月 567.80 1,111.50 4,555.59 0.00 1,335.79
4月 219.45 1,085.33 2,755.50 0.00 1,165.15
5月 129.06 1,100.45 308.60 0.00 1,025.90
6月 496.98 1,135.11 546.95 0.00 1,031.60
7月 101.82 1,242.45 354.50 0.00 854.92
8月 378.51 1,013.54 2,055.80 19.50 854.85
9月 113.00 1,090.05 238.00 17.70 1,067.95
10月 105.30 679.73 414.10 0.00 2,753.00
11月 86.30 1,257.85 217.50 0.00 1,176.20
12月 550.00 833.29 231.20 0.00 502.50
小計 6,231.70 21,814.26 28,275.05 351.65 23,397.55
US.$ 113円 30
内訳
0 0 190
内訳
0
シンガポール SG.$ 68.4円 20
内訳
30.70
内訳
35.40
内訳
0 10.90
内訳
インドネシア ID.R 14.0 0K 27K
内訳
212K
内訳
0K 0K
タイ TH.B 2.89円 90
内訳
1,116
内訳
634
内訳
0 290
内訳
ネパール NP.R 1.60円 5,390
内訳
2,845
内訳
1,811
内訳
1,150
内訳
6,920
内訳
日本 JP.\ 1.00円 0 0 0 0 0
通貨計 206,348 670,644 887,629 12,487 716,942

国名 住居 土産 支出計 円換算 日数 日平均
マレイシア 02年12月 4,796.30 0 5,458.65 165,249 14.0 11,803
03年1月 4,090.00 0 7,013.26 212,311 31.0 6,849
2月 6,301.96 0 11,851.94 358,792 28.0 12,814
3月 6,310.08 0 13,100.66 396,594 31.0 12,793
4月 6,120.35 0 7,744.12 234,437 30.0 7,815
5月 6,009.98 0 8,267.47 250,280 27.8 9,003
6月 6,256.84 0 8,956.23 271,131 30.0 9,038
7月 5,959.90 0 7,814.38 236,564 31.0 7,631
8月 6,006.00 0 9,632.64 291,608 31.0 9,407
9月 5,978.48 0 8,702.64 263,454 30.0 8,782
10月 6,412.14 0 9,227.47 279,342 30.1 9,280
11月 6,050.20 0 10,815.77 327,424 18.0 18,190
12月 5,896.46 0 9,233.78 279,533 25.2 11,093
04年1月 5,941.05 0 7,233.52 218,979 14.0 15,641
2月 5,850.00 0 6,217.10 188,209 3.0 62,736
3月 5,900.34 0 13,471.02 407,806 31.0 13,155
4月 5,850.00 0 11,075.43 335,285 30.0 11,176
5月 5,955.90 0 8,519.91 257,922 29.0 8,894
6月 6,083.30 0 9,293.94 281,354 30.0 9,378
7月 6,033.39 0 8,587.08 259,955 30.9 8,413
8月 6,208.68 0 10,530.88 318,800 29.2 10,918
9月 5,991.42 0 8,518.12 257,868 30.0 8,596
10月 6,170.52 0 10,122.65 306,442 19.3 15,878
11月 5,850.00 0 8,587.85 259,979 22.3 11,658
12月 3,952.50 970 7,039.49 183,741 16.0 11,484
小計 145,975.79 970 227,016.00 6,843,059 641.8 10,662
51.91
内訳
0 271.91
内訳
シンガポール 79
内訳
0 176 12,037 1.5 8,025
インドネシア 1,459.359K
内訳
0K 1,698.359K 23,812 3.4 7,003
タイ 490
内訳
250 2,870 7,582 1.9 3,990
ネパール 15,832
内訳
0 33,948 85,187 19.4 4,391
日本 0 20,472 20,472
内訳
0 4.0 0
通貨計 4,477,625 50,560 6,971,677 672.0 10,375

(注) 円換算と日平均は他国通貨での支払いを含み、土産費を除く。
ID.Rの為替(赤字)は1,000通貨当たりで、費用のKは1,000倍の意。

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支払

持参

運転

報道

治安

物価
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民族

優遇

展望

抜粋

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春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋
春 夏 秋 冬
夏 秋 冬 春
秋 冬 春 夏
冬 春 夏 秋

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